エトワール海渡、伊豆利島の椿油シリーズをリブランディング

週刊粧業 2016年1月1日号 78ページ

カンタンに言うと

エトワール海渡、伊豆利島の椿油シリーズをリブランディング
 エトワール海渡は、伊豆利島の椿の実から採れる油を100%使用した「伊豆利島(いずとしま)椿油シリーズ」を2001年に自社ブランドで発売を開始して以降、商品を拡充して人気商品へと成長させてきた。

 そして2015年11月の創業祭を前に、「作り手の思いをもっと多くの人に伝えたい」との思いから、リブランディングを実施し、「利島椿油 結い椿(ゆいつばき)」へとシリーズ名を変更して発売した。

 母から子へ、子から孫へ、何世代にもわたり女性の美しさを大切にするという思いを込め、「結ぶ」シリーズの育成を図っていく。

椿油の生産量は利島が国内一
訪島がリニューアルの契機に

 2015年2月、担当者が伊豆利島を訪問したことがリブランディングの契機となった。

 利島は伊豆七島の中でも最も小さい周囲8㎞の離島だが、島土の約8割を椿の木が占めるため、「椿の島」とも呼ばれている。約20万本の椿の木は、農薬や除草剤を使用せずに栽培し、成熟した椿の実の収穫はひとつひとつ手作業で行い、昔ながらの手間のかかる伝統製法で搾油・精製している。江戸幕府に年貢として上納されていた椿油は、今では島の基幹産業にまで発展し、国産椿油の生産量の約6割を利島産が占めている。

 同社が伊豆利島の椿油を商品化した2001年当時、利島との取引先は同社を含めて数件だった。その数年後、大手メーカーのヘアケア商品に採用されるなどして椿油が脚光を浴び、椿油ブームが沸き起こった。この時、伊豆利島の椿油の品質の良さから、取引の打診が相次いだ。しかし、生産量などの関係と、今の取引先を大切にしたいという生産者の意向で大きな取引も断り、同社との関係が継続したという。

 「年間に何度も台風が上陸する土地だからこそ、強い椿の木に育つ。愛情をこめて育て上げる生産者のひたむきな姿に胸が熱くなり、どうにかして豊かな自然に恵まれた伊豆利島と、そこで採れる椿油の素晴らしさを伝えなければならないという使命感に駆られた」(商品部2課 竹下恵氏)

 伊豆利島で採れる椿の実は、都が定める農作物の品質基準である「エコ農作物100」の認定を受けており、安心・安全面での品質も高いという。

 椿油は人の皮脂に近似したオレイン酸が多く含まれており、髪や肌への親和性が高いのが特長だ。保湿力を長時間保ち、紫外線ダメージから髪や肌を守るため、毎日のケアに最適という。

 当初は「ノーマル」と「上質」の2タイプから発売を開始した。特に、上質タイプはノーマルタイプにさらに精製、脱臭を行い、無色無臭にしたことで、「髪にだけ使うもの」という椿油のイメージを払拭する商品へと仕上げた。

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