日本コルマー、国内6~7拠点化を視野、米国企業と技術提携へ

週刊粧業 2017年2月27日号 8ページ

カンタンに言うと

日本コルマー、国内6~7拠点化を視野、米国企業と技術提携へ
 化粧品・医薬部外品OEM/ODMの国内最大手である日本コルマーの2017年3月期は、計画していた連結売上目標(300億円)を日本コルマー単体で達成し、13期連続増収を見込む(約325億円見込、前年比20%増)。

 神崎友次会長は、かねてより言及してきた「アウトソーシング化」に触れ「昨今の訪日外国人によるインバウンド需要拡大と、越境ECを中心としたアウトバウンドの加速によってさらに進む」と予測する。

 ――貴社業績からもOEM業界に吹く追い風の強さが感じられます。

 神崎 「日本製」への評価が高まり、一部の大手ブランドメーカーでは国内の生産力を増強する動きも見られるが、工場の保有はリスクを伴う。

 ブランドメーカーの主な目的は、イン/アウトバウンドを獲得できるブランドや収益性の高い製品を顧客に提供することにあるのだから、生産はアウトソースすればよい。

 当社へ製品開発段階から依頼してくる顧客も増えており、アウトソーシングへの移行は生産以外の領域にまで広がっているといえる。

 ――生産面では昨秋、国内5番目の工場となる茨城・結城工場の稼働を開始しました。

 神崎 化粧品業界に限らず、日本企業は人手不足の悩みを抱えているが、ブランドメーカーの受け皿となる私たちOEM/ODM業界はそのような課題をもクリアすることが求められている。

 国内生産拡大に向けて6番目、さらには7番目の工場も視野にマーケティングを進めている。

 研究開発分野でもアウトソーシング化の加速に備え、横浜研究所を軸に、差別化を強く意識した取り組みをスタートさせている。

 新機軸の化粧品開発を目指した東京工業大学との共同研究と並行して、原料レベルでの肌への効果に加え、最終製品を使用した際の美肌効果のエビデンスを取得し、そのデータを顧客に提供している。

 ――海外進出・進展を目指すブランドメーカーも増えてきています。

 神崎 海外市場ではアウトソーシングビジネスへの注目度も高く、私たち業界が担う役割は大きい。

 来期はASEAN市場開拓の受け皿となる「ベトナム工場」の着工に向けて準備を進めるほか、既存工場(蘇州コルマー)の稼働率が高まっている中国で新工場の設立も計画していく。

 また、このほどスキンケアを中心に手がける米国の化粧品OEM会社へ出資し、メークアップ関連の技術提携をすることで合意した。

 将来的には米国市場の開拓も視野に関係を構築していく。
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