化粧品・医薬部外品原料の研究開発メーカーである成和化成はこのほど、保湿型ビタミンC誘導体「AmitoseVC」シリーズから世界初となる知見・効果を見出した。迎える「CITE Japan 2017」では、2つの世界初を唱える「ブライトニングビタミンC(VC)」の研究成果を含む全8題の技術発表を行う(※日程・題目は下記広告参照)。
また、今回は出展ブースにも力が入る。前回(2015年)比2倍となる12コマに広げてケラチンペプチド、紫外線吸収剤内包マイクロカプセルなどの自社開発原料をはじめ、国内総代理店となるSEPPIC社の乳化増粘剤・エモリエント剤、Schulüke&Mayr社の抗菌成分などを詳しく紹介できる体制を整えた。
ブライトニング成分にメラニンの
オートファジー活性化を確認
保湿型ビタミンC誘導体「AmitoseVC」は、ビタミンCとグリセリンの融合により優れた保湿機能をもつのが特徴で、同社はビタミンC由来の多様な生理活性を活かして美容効果や配合用途の異なるビタミンCを開発し、シリーズ6品目をラインナップしている。
今回はその一つ「ブライトニングVC」(Amitose HGA/ヘキシル3―グリセリルアスコルビン酸)に、「ビタミンC誘導体による『メラニン輸送阻害』と『メラニンのオートファジー』」という新効果・新知見を発見した。
「ブライトニングVC」は、他のビタミンC誘導体成分に比べ、高いメラニン産生抑制効果(ブライトニング効果)が確認されているが、そのメカニズムについては明らかにされていなかった。
今回、そのメカニズム解明を進め、メラノサイト内のメラニンが、オートファジー(細胞リサイクルシステム)活性化によって分解されることを新たに発見した。さらに、「ブライトニングVC」に、そのオートファジー活性化をもたらす「メラニン輸送阻害作用」があることを突き止めた。
メラニンは、タンパク質の一種であるキネシン、ミオシンVaといったメラニン輸送因子によってケラチノサイトに運ばれ、肌の色素沈着を引き起こすことがわかっている。
そこで同社は「メラニンのオートファジー」に着目して研究を進め、ケラチノサイトに運ばれなかったメラニンが、メラノサイトの核周辺に集まることでオートファジー現象を引き起し、メラニンが分解されることを確認した。
つまり、「ブライトニングVC」がメラニン輸送因子の発現自体を抑制しメラニンのケラチノサイトへの移行(輸送)を阻害することで、オートファジーを活性化させ、メラニンの過剰産生を防ぐことができる。