コーセー、肌の透明感を客観的に評価する手法を開発

粧業日報 2019年10月8日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 肌診断ツールの開発や満足度の高いスキンケア方法の提案へ
コーセー、肌の透明感を客観的に評価する手法を開発
 コーセーは、皮膚計測により、これまで不明瞭だった肌の透明感に関わる因子を特定し、客観的に評価する手法を開発した。

 個人差の大きい肌透明感を把握することで、それぞれの肌特性に合わせたスキンケア提案につなげていく。なお、この研究成果は第84回SCCJ研究討論会(7月18日、大阪)にて発表している。

 日本化粧品工業連合会では、肌透明感を「皮膚がくもりなく透き通ったように見える状態」と定義しており、従来、肌透明感を評価する手法として、専門評価者による目視評価に加えて、肌の光透過性に着目した手法や顔画像解析による手法などが提案されてきたが、肌透明感にどのような因子が関与しているかについては十分に明らかになっていなかった。

 そこで今回は、これらを明らかにするため、専門評価者の目視による肌透明感のスコア付けを行うとともに、機器測定により得られる水分量など様々な肌パラメータとの相関を調べた。

 研究では、肌透明感に関わる因子を特定するため、日本人女性78名を対象に肌質の調査を実施した。まず、顔画像の取得や肌表面のキメやシワなどの形状分析に加えて水分量などの様々な肌パラメータを測定し、目視による肌透明感スコアとの相関を求めた。

 その結果、目視の肌透明感と相関性が高い因子は、「彩度」「色相角度」、肌のキメに偏りがないことを示す「等方性」という指標であることが明らかになった。

 肌の色を表す値である「彩度」と「色相角度」という2つの因子は、顔画像より得ることができ、彩度や色相角度の値が小さいほど肌透明感があることがわかった。

 また、等方性は肌表面形状の解析から算出することができ、値が大きい(キメ流れの方向に偏りがない)ほど透明感がある肌を示すことがわかった。

 これらの因子を用いて肌透明感の推定スコアを算出し、目視による肌透明感スコアとの相関分析を行ったところ、高い相関性が得られ、肌の透明感を客観的に評価できるようになった。

 今回の研究により、肌透明感に関わる因子は、「彩度」「色相角度」「等方性」であることを特定するとともに、透明感という主観的な感覚を客観的に評価する手法の開発に成功した。

 今後は、グローバルに視野を広げ、この手法が肌色の異なるユーザーに対しても適用可能か検証を行っていく。また、この手法を活用した肌診断ツールの開発や、満足度の高いスキンケア方法の提案につなげられるよう検討を進めていく。
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > コーセー、肌の透明感を客観的に評価する手法を開発

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop