ツバキスタイル、メカニカルリサイクル容器の製造・普及を宣言

週刊粧業 2019年10月21日号 26ページ

ツバキスタイル、メカニカルリサイクル容器の製造・普及を宣言
 いま世界中で海洋プラスチックごみが大きな問題となっている。波と共に押し寄せ、海岸を埋め尽くすごみの山。そのほとんどがリサイクルされる事なく廃棄される為、環境に大きな被害をもたらしている。

 そんな社会問題に対して私たちにできることは何か。化粧品・トイレタリーボトルメーカーのツバキスタイルは、最も多くのごみを生み出す飲料用ペットボトルに着目し、新たな化粧品ボトルの製造を始めている。

化粧品は、人を美しくするでも
ボトルは地球を汚している

 近年、世界中で環境汚染などを引き起こし、急速に関心が高まっている海洋プラスチック問題。自然分解されないプラスチックごみは、その多くが数百年以上もの間海に残り続け、マイクロプラスチックと呼ばれる小さな粒子となって海洋生物へ大きな被害を与えている。

 この世界的な社会問題に対して、私たちにできることは何か。

 すでに多くの国でプラスチック製のストローやレジ袋の使用禁止など、規制の動きは強まっている。多くのプラスチックごみを生み出す要因となっているペットボトルも、販売数の約9割が回収されているが、回収率が高いだけで喜ぶことはできない。

 年間約60万tも販売されるペットボトルは、残りのたった1割の未回収分だけでも、年間26億本にものぼる。この未回収のペットボトルは、一体どこへ行ってしまうのか。

 ポイ捨てなどから環境中に流出したプラスチックの多くが最終的に「海」へと行き着く。すでに世界の海には1億5千万tものゴミが流出していると言われており、そこに年間800万tにも及ぶゴミが新たに流出し続けている状態だ。イギリスのシンクタンクの調査によると、そのうち33%が飲料系のゴミと推定されている。

 日本では、国内で処理しきれないペットボトルごみの7割以上を中国に輸出してきたが、多くの資源ごみを世界中から受け入れていた中国政府も、2018年1月にプラスチックごみの輸入を禁止した。行き場を失ったペットボトルは、焼却できなくなれば埋立処分するしかないが、最終処理場の埋立地も残り20年ほどで限界を迎える。

 もし、この飲料用ペットボトルを全て回収し、処理することができれば、地球規模で起こっている深刻な環境問題を解決できるかもしれない。

 ツバキスタイルでは、化粧品・トイレタリーボトルメーカーで初となる、飲料用ペットボトルを100%使用したMR樹脂(メカニカル樹脂)からなる『メカニカルリサイクルボトル』を製品化した。

 表面に付着した汚れだけではなく、真空・高温下で樹脂の内部に染み込んだ不純物まで徹底的に除去することで、本来の純度と機能を回復させた樹脂は、国際的な専門機関であるFDA(米国食品医療品局)やEFSA(欧州食品安全機関)での認証を受けるなど、安全基準が高く、大手飲料メーカーでの採用も広がっている。

 同社では業界で3本の指に入る設備と生産能力を生かし、延伸ブロー成型によるメカニカルリサイクルボトルの成形を実現した。700以上の既存持型でも転用可能なため、小ロットへの対応も可能になっている。

 「いま私たちにできることは、他の誰かが解決してくれるのを待つのではなく、プラスチック製品を利用する1人ひとりが解決に取り組むことだ」

 海洋プラスチックごみの元となるプラスチックを化粧品やトイレタリー分野で使用し、少しでも行き場のないごみを減らすことで、環境は大きく変わっていくだろう。

 限りある資源を守り、環境汚染から地球を守るためにツバキスタイルは、メカニカルリサイクル容器の製造・普及を宣言する。11月には、業界初となる世界的認証機関GRS(グローバルリサイクルスタンダード)の認証を予定しているほか、環境省が推奨するプラスチックスマートにも参加するなど、これからも環境への取り組みを進めていく。

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