ロート製薬、加齢に伴う唇の変化に男女差を発見

粧業日報 2020年7月22日号 4ページ

カンタンに言うと

  • 40代以上の女性は男性よりも唇の荒れ、シワが顕著
ロート製薬、加齢に伴う唇の変化に男女差を発見
 ロート製薬は、20~50代のアジア人男女93名(男性50名、女性43名)の唇の状態を観察し解析したところ、唇の荒れやシワの程度は男性よりも女性のほうが顕著であることがわかった。

 さらに、男女差を年齢別に解析すると、40代以上の女性では、男性と比べ、荒れやシワの状態が強くなっていることも発見した。

 加齢に伴う唇の変化について男女比較をした研究は、これまでほとんど報告がなく、同社では加齢に伴う唇の変化に男女差を見出した画期的な研究と位置づけている。

 今後は、この成果を活用し、女性に特有の唇老化メカニズムの研究を進め、ハリのある魅力的な唇へ導くリップケア製品の開発を進めていく。

 研究では、20~50代のアジア人男女93名の唇状態を観察し、加齢と性別による唇状態変化の違いを解析した。その結果、40代を境に、女性は男性と比較して唇の荒れが強くなりやすいこと、女性の唇は男性と比較してシワが形成されやすいことがわかった。

 加齢に伴う唇の形態と見た目の変化を解析するために、唇の状態を正面からデジタルカメラで撮影。撮影した写真を基に、唇の荒れ、シワについて判定者3名によるグレード評価を行い、グレード値と年齢・性別との相関性を統計学的に解析した。また、「荒れ」と「シワ」について、症状の進行度順に1~5の5段階のスコアを設定した。

 その結果、唇の荒れは深刻になるにつれて鱗片の形成が広範囲に広がり、最終的には広範囲の皮めくれが起ることを確認した。シワの形成は、浅く規則正しく縦横に走るシワから始まり、最終的には組織の陥没や変形を伴う大きなシワが形成され、老化の進行に伴うシワのパターンの違いが確認された。

 唇の荒れグレード解析の結果、女性は男性と比較して唇が荒れていることが確認された。さらに、荒れグレードを年齢、性別別にプロットした結果、男女ともに加齢とともに唇の荒れグレードは低下傾向を示すものの、40代以上の女性は男性と比較してグレード3以上の荒れ症状が観察されやすい傾向を認めた。

 唇のシワグレード解析の結果、女性は男性と比較してシワの形成が進みやすいことが確認された。荒れグレードを年齢、性別別にプロットした結果、特に女性は40代以上にグレード4以上の大きなシワの形成が観察されやすい傾向を認めた。

 以上のことより、女性は男性と比較して唇の荒れやシワが発生しやすいことが確認された。

 女性はメークアップなどの生活習慣のほかに、皮膚組織が男性と比較して薄く、老化による菲薄化が進みやすいという生物学的な男性との差異が知られており、今回発見された唇の状態の差の原因と関係することが予想される。

 今後は、唇の男女差研究を進めていくことで、女性の唇の悩み解決に特化したリップケア技術の開発と製品応用が期待される。
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