ライオン小和田氏、シンポジウムで水平リサイクルへの決意語る

粧業日報 2020年11月25日号 3ページ

ライオン小和田氏、シンポジウムで水平リサイクルへの決意語る
 ライオン CSV推進部の小和田みどり部長は、11月2日に開催された「第5回 エコ・ファースト シンポジウム」の加盟企業発表に参加し、「プラスチックの資源循環の推進に向けて」というテーマで同社の環境対応について説明した。

 まず、コロナ禍における同社の対応について報告し、医療従事者への衛生用品の提供や寄付活動をはじめ、ハンドソープや手指消毒液の増産・フル稼働供給を実施していることや、HPを通じてくらしの衛生情報を発信していることを伝えた。

 続いて、同社が取り組む「LION Eco Challenge 2050」について紹介。人と地球の健やかな未来に向けて、2050年までに「事業所活動におけるCO2排出量ゼロ」「ライフサイクルにおけるCO2排出量半減・水使用量30%削減」「再生プラスチック・バイオマスプラスチックの使用量倍増」を進めていく決意を述べるとともに、現在実施している3R(Reduce:容器包装材料使用量の削減、Reuse:本体容器の再使用、Recycle:再生材料の利用)+Renewable(再生可能原料への使用)の進捗状況を報告した。



 さらに、リサイクルが難しいとされるフィルム容器の水平リサイクルに向け、同業の花王とともに具体的な活動(回収コスト・リサイクルコストの低減)に着手したことを報告。「1社だけで取り組むのが難しい課題も多いが、協働を進めることで課題の解決につなげていきたい」と語った。

 先だって行われた基調講演では、「コロナウイルス後の世界と循環経済」をテーマに、中部大学経営情報学部長・教授の細田衛士氏が登壇した。

 まず細田氏は、過去のパンデミックについて振り返った後、アフターコロナにおいては「ヒューマニズムに基づいた新たなる経済社会の構築が必要で、科学技術の進展度合いをみれば十分可能である」と説明した。

 新しい社会経済システムは、「経済、環境・資源、社会のトリプルウインを実現すること」で構築することができ、そのためには作る責任、使う責任が大きな役割を果たすことになり、とりわけ「作る責任」は重要になるという。

 つまり、そのような経済社会システムのもとでは、経済、環境・資源、社会のトリプルウインを目指さない企業は淘汰される可能性が高く、「それを目指すことにビジネスチャンスがあると捉えるべきだ」という。

 最後に細田氏は、「コロナ禍いかんに関わらず、ライフスタイルは変わり、経済は変わる。モノからコトへ、物質的な豊かさから精神的な豊かさへ人々の嗜好は変わりつつある。コロナ禍はそうした方向性を一層強める。使用済み製品・部品・素材の内容・組成、発生源は変わるが、循環経済の基本は変わらない。循環経済では新しい付加価値が生み出され、SDGsに沿った新しい経済社会が構築される。その経済社会は『三方良し(環境資源・経済・社会)』に他ならない」と締めくくった。
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