池田物産、経営資源確保に向けた事前対策などBCP対策を推進

週刊粧業 2021年4月12日号 26ページ

池田物産、経営資源確保に向けた事前対策などBCP対策を推進
 化粧品・食品の原料や香料などを取り扱う老舗商社の池田物産では、2019年10月に策定した事業継続計画に基づき、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の確保に向けた事前対策や緊急事態発生時の対応、社内へのBCPの浸透といった一連の取り組みを推進している。

 同社が取り組んでいる具体的なBCP対策について、池田隆彦社長に話を伺った。

 ――BCPの策定に至った経緯と、現在の取り組みをお聞かせください。

 池田 当社では海外の化粧品メーカーとの取引も多く、3~4年前からBCPやCSR(企業の社会的責任)への取り組みが求められるようになったことが契機となった。

 BCP対策では基本的に、「事前にすべきこと」「緊急事態発生時に行うこと」「社内への浸透」「策定後の定期的な見直し」という一連の流れで各々対策を進めている。

 まず、経営資源の確保に向けた事前対策では、ヒトに関して有事の際に部門長へすぐに連絡できる安否確認システムを既に導入している。

 このほか、大半の業務に関しては社員1人で行う状況をできるだけ排除し、2~3人で取り組むような業務のバックアップ体制を構築している。

 モノに関しては、原料商社として最も重要な原材料について、関東と関西で分散してストックしている。

 また、関連会社で1986年にニューヨークに設立したイケダコーポレーション・オブ・アメリカでも、一部原料で在庫を保管している。

 資金面では、不安要素を可能な限り排除すべく、換金性の高い積み立てなどを行っている。

 情報に関しては、基幹業務システムや経理財務システムを全てクラウド化し、在宅でも作業できる環境の構築を進めている。

 ――今後はどのような取り組みを推進していきますか。

 池田 緊急事態発生時は、私が総責任者で経営企画室長がサブリーダーとして指揮を執り、経理や人事総務を司る管理部が事務局を兼務する。

 BCPを社内により浸透させていくためにも、リーダーやサブリーダーと同じようなメンタリティを共有できる人材を育成していきたい。

 また、BCPは1度計画を作って終わりではなく、事業環境の変化に合わせて中身を都度変えていくべきで、定期的に見直しを進めていく方針だ。
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