日本コルマー、分散主義を貫き強固な経営体質に

週刊粧業 2021年4月12日号 23ページ

日本コルマー、分散主義を貫き強固な経営体質に
 化粧品ODM/OEM業界の国内最大手である日本コルマーは、あらゆるリスクに対応する分散政策を徹底することで、事業継続性を維持しつつ、成長・拡大を続けている。

 神崎友次会長に話を聞いた。

 ――BCPの観点からODM/OEM企業にとって重要なことは。

 神崎 「何が起きても迅速かつ柔軟に対応できる体制」であるかどうかだと考える。

 我々ODM/OEMの役割は安定供給責任を果たすことであり、災害などリスクヘッジのため研究所・工場の多拠点化を推進し、現在は国内5研究所・7工場体制を敷いている。

 多拠点化は労働力の安定的な確保や、人材不足の軽減にも繋がる。

 先のインバウンド需要の拡大期には、関東圏を含めて新たに4つの工場をM&Aなどで取得した。

 急な受注増や短納期変更にも複数の工場が連携してフレキシブルに対応することで、16年3月期から19年3月期まで4期連続で2ケタ成長を達成することができた。

 ――21年3月期も増収で推移されました。コロナ禍でも分散政策は機能していると言えます。

 神崎 コロナ禍の社会の大きな変化は、化粧品の消費者ニーズにも変化をもたらし、企業は正しい情報をいち早く集める「情報収集力」が問われた局面であった。

 当社は、仕入先や販売先の分散、製造品目のバリエーション拡大などあらゆる領域で分散政策を推し進めつつ、情報収集力を高めてきた。

 販売先約500社、年間約8000SKUの製品開発・製造を行う中で、当社には日々、あらゆる情報が集まってくる状態にある。

 同一商品カテゴリーであっても、チャネルや価格帯などが異なる取引先が複数あり、集まる情報を多面的に精査することができる。市場ニーズやトレンドの変化をいち早く把握し、研究員170名体制でスピード開発を実現している。

 同時に、取引先の状況についても1社ごとに受注状況を確認しながら、収集した複数の情報と照らし合わせて、計画との差異を分析している。

 コロナ禍でインバウンド需要の終息やメーク市場の落ち込みなどがあり、当社もその影響を受けたが、そうした中でも17期連続増収を達成できたのは多岐にわたる情報収集や緻密な分析がもたらした結果である。
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