証券アナリスト 佐藤和佳子氏、2021年日用品市場の今後を分析

粧業日報 2021年6月30日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 前年の特需がなくなり、数字的には厳しい1年に
  • 日用品銘柄の株価は特需の消失で正常化へ
  • 衛生品は世界的にベースが底上げ、海外成長の好機に
  • 変化対応と成長への再投資が鍵
証券アナリスト 佐藤和佳子氏、2021年日用品市場の今後を分析
 2020年の春頃は、新型コロナウイルスの感染流行により、店頭から衛生関連製品が消え去る光景が連日報道されていた。それを物語るように、インテージが小売店販売データSRIをもとに発表した「2020年、今年売れたものランキング」では、1位「マスク」(425%)、2位「殺菌消毒剤」(302%、うち手指消毒剤は9倍超)となり、日用品が上位を独占した。

 その翌年である2021年、衛生関連製品を中心とした日用品は、昨年にあった特需がなくなり、春以降、数字的には厳しい1年になっていく。

 コロナの状況次第という将来予測が難しい状況にある中、化粧品・日用品業界を調査・分析する三菱UFJモルガン・スタンレー証券・インベストメントリサーチ部の佐藤和佳子シニアアナリストに、日用品市場の21年上期を振り返ってもらうとともに、下期以降を展望してもらった。

日用品銘柄の株価は特需の消失で正常化へ

 ――少し早いですが、2021年上期の日用品市場を振り返っていただけますか。

 佐藤 日用品銘柄は、世界的にマスクや消毒・除菌関連製品、巣ごもり需要などの特需があった昨年に対し、今年はワクチンの普及とともに正常化してきている。

 正常になることが、逆の期待値に働いて株価に影響している状況だ。

 つまり、日用品株は、業績が悪くなり株価も下がるという正常な状態に戻りつつあると言える。そういった意味では、化粧品株よりも推奨しやすい。

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