東洋新薬、東京支店の併設ラボを渋谷に拡充

週刊粧業 2021年8月23日号 7ページ

カンタンに言うと

  • 移転顧客のスピーディーな製品開発に貢献
東洋新薬、東京支店の併設ラボを渋谷に拡充
 化粧品と健康食品のODM・OEMを「ODEM」として展開している東洋新薬は、界面活性剤を使用しない「三相乳化法」やシワ改善の有効成分「ナイアシンアミド」を活用した独自の提案力により、今期(2021年9月期)の実績が前年比2ケタ増と好調に推移している。

 中でもコロナ需要では、医薬部外品などの消毒剤の有効成分に使われる「塩化ベンザルコニウム」を配合した、肌刺激が少ないハンドクリームの引き合いが高まっている。

 「三相乳化法」の付与により、水に濡れても効果が持続する耐水性も生かし、顧客のニーズを捉えた提案が進んでいる。

 また、女性の抱える健康の課題を解決する「フェムテック」領域への注目が社会全体で集まるのに伴い、デリケートゾーン向け処方への受注も増えている。

 これまで店舗で購入しづらいジャンルだったが、ECチャネルの広がりが需要拡大の一因となっている。

 処方には肌への刺激の低さが求められるため、一般的にはpH値を調整した弱酸性の洗浄剤が使用されることが多いが、「三相乳化法」の活用でより刺激を抑えたアイテムの開発を実現している。

 さらにこのほど、ユーザーに最適化した商品を提供する「パーソナライズド処方」への対応も開始した。

 有効成分やテクスチャー・香りを複数揃えるとともに、顧客との密なコミュニケーションで生産計画や在庫等を調整し、要望に柔軟に対応できる体制を目指す。

 設備面では、顧客立ち合いの下、処方の試作や皮膚の測定・検査ができる東京支店の併設ラボを渋谷に拡充移転した。面積は化粧品と健康食品の開発エリアを合わせ、従来の約7倍に拡大しており、9月頃から本格稼働を開始する。

 九州の鳥栖本部に加え、東京でも肌診断や多様な処方の試作が可能となり、東京エリアの顧客も手軽に処方評価できる環境を整えた。これまで以上にスピーディーな開発が期待されている。

 一方海外展開では、中国の現地企業に直接アプローチし、商談機会の創出を図っている。

 越境EC向けのみならず、現地の小売店向けの製品受注も目指している。まずは独自の開発技術をわかりやすく伝えることに注力し、競合との差別化を進める方針だ。

 「技術面でも新素材の開発に注力するとともに、技術や素材の販路が少ない研究機関と協業し、より良い製品と消費者をつなぐハブとしての役割を果たしていきたい」(同社)
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