日進化学、コロナ禍でOEMの役割を再認識

週刊粧業 2021年8月30日号 11ページ

カンタンに言うと

  • ODMとの両輪で成長基盤の構築へ
日進化学、コロナ禍でOEMの役割を再認識
 日進化学は、化粧品・医薬部外品OEMとエアゾール製造を行う既存事業でQCDの向上を進め、多様化・細分化する顧客ニーズへの対応力を高めていく。

 同社は約10年間で、後発事業である化粧品OEMのプレゼンス向上を目的に、工場・生産設備に100億円近い投資を行ってきた。生産管理システムは、原料・資材、開発、品質などの情報管理を可視化させることで生産性向上を図った。

 髙田寛社長は、「目まぐるしく市場環境が変化し、競争も激しくなる中、生産のフレキシビリティを高めることでコスト競争力もついてきた。中長期で研究開発を軸にしたODM部門との両輪で強い成長基盤を築いていく」と今後の成長戦略を語った。

 基盤となるOEM事業の成長は昨年のコロナ禍でも見られた。インバウンド消失の影響を受けて一部製品の生産量が減少したが、アルコール除菌・消毒液やハンドソープなどのコロナ特需品の受注獲得により稼働率をカバーし、2021年3月期売上高は前年比微増で推移した。

 また、除毛剤や泡タイプのボディソープを中心に「すごもり時間や自分磨きのニーズに応える商品の好調も目立った」(髙田社長)ことから、22年3月期も引き続きコロナ禍ニーズへの対応を重点施策の一つに挙げて取り組んでいる。

 OEM事業は今後、グローバル対応を強化する。

 「人口減少などで国内の市場縮小が避けられない状況にあって、中国・アジアを中心に海外輸出の需要が拡大してくる。グローバル戦略を推し進める大手・中堅クラスの要望に応えるQCD対応を実現していく」(髙田社長)

 育成強化を図るODM部門は、販売チャネルの多様化と、それにともなう異業種・ファブレス企業の参入の増加を見据え、スキンケア製品を中心に商品の設計・デザインから製品化までトータル提案できる体制を整備する。

 「コロナ禍の状況が悪化していて外部環境は決して良いとはいえないが、この機会に再度、ハード、ソフトの両面から社内体制を見直して会社を進化させていく。さらに、提案機能を付加し、アフターコロナに備えていく」(髙田社長)
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 日進化学、コロナ禍でOEMの役割を再認識

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop