花王、カーボンゼロの実現に向けコーポレートPPAを初採用

粧業日報 2021年9月28日号 5ページ

カンタンに言うと

  • 花王本社における年間使用電力の100%再生可能エネルギー化へ
花王、カーボンゼロの実現に向けコーポレートPPAを初採用
 花王は、脱炭素社会の実現に向け、2040年までにカーボンゼロ、2050年までにカーボンネガティブを目指す一環として、発電事業者のジェネックス、小売電気事業者のみんな電力と、コーポレートPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)の基本契約合意書を締結した。電力の受給は、2022年2月に開始予定で、花王本社で活用していく。

 コーポレートPPAは、従来の非化石証書などとは異なり、需要家が発電事業者より直接、再生可能エネルギーを固定価格で長期間購入するスキーム。需要家は安定的な再生可能エネルギーの調達が可能になり、発電事業者は資金調達がしやすくなることで、新たな発電設備への投資を推進することができる。

 日本におけるコーポレートPPAの実績はまだ少なく、花王においても初めての採用となる。

 また、花王が参加する持続可能な脱炭素社会をめざす企業グループ、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)による「JCLPコーポレートPPA組成プロジェクト」の採用第一弾となる。

 花王では、2019年4月に策定したESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)で19の重点取り組みテーマを設定しており、コーポレートPPAの採用は、重点取り組みテーマの「脱炭素」に貢献する活動となる。

 今回のコーポレートPPA採用では、ジェネックスの太陽光発電設備(静岡県建設予定)に加え、みんなパワーの太陽光発電設備(兵庫県、奈良県)で発電される再生可能エネルギーも購入し、みんな電力を通して供給を受け、花王本社で使用していく。

 発電量は、花王本社の年間使用電力の約30%にあたる約850MWhを見込んでおり、年間約460トンのCO₂排出量削減につながる。

 花王本社で使用する残りの電力についても、非化石証書を使用した電力を使用していく。これにより、花王本社における年間使用電力約2800MWhの100%再生可能エネルギー化を達成し、年間約1500トンのCO₂排出量を削減する見込みだ。
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