コーセー、WEB-BC SYSTEM開発の狙いや今後の戦略を説明

粧業日報 2021年10月1日号 1ページ

カンタンに言うと

  • DX推進で顧客を正確に把握し、次なる商品・サービスの開発へ
  • 1年以上の歳月をかけ店頭接客レベルのオンラインカウンセリングを構築
  • オンラインに適正のある人材を様々なチャネルより選抜
コーセー、WEB-BC SYSTEM開発の狙いや今後の戦略を説明
 コーセーは、DXを活用した新たなカウンセリングのあり方を提示すべく、オンラインカウンセリングプラットフォーム「WEB-BC SYSTEM(ウェブ ビーシー システム)」を開発し、9月16日よりハイプレステージブランド「コスメデコルテ」のカウンセリングサービスとして「コスメデコルテ パーソナルビューティ コンシェルジュ(PBC)」(受付=10時~19時)の稼働を開始した。

 それに先立ち9月10日には、日本橋本社で報道関係者向けに説明会が開催され、セレクティブブランド事業部 事業戦略推進課 課長 命尾泰造氏と、情報統括部 グループマネージャー 進藤広輔氏が、新システムの開発の狙いや今後の戦略について言及した。



1年以上の歳月をかけ店頭接客レベルの
オンラインカウンセリングを構築

 コーセーでは、長年にわたり美容部員(BC)が販売店の店頭において対面で接客するカウンセリング販売を強みに成長してきたが、生活スタイルの多様化に加えてコロナ禍も重なり、非接触、短時間での接客応対が求められるようになり、これまで提供してきた質の高い接客サービスを対面で行うことが難しくなった。

 こうした中、昨年5月にオンラインカウンセリングシステムを構築するプロジェクトが立ち上がり、オンライン上でも店頭接客に遜色ないレベルの高いサービスをどのように構築していくべきかについて、喧々諤々の議論が行われた。

 その結果、たどりついたのが「DXを活用した従来にはない画期的なカウンセリングサービスの開発」だった。

 インターネット上で店頭と遜色ないサービスを提供することにより、場所や時間に捉われない便益を顧客に提供することや、BCにも出社を前提としない、より柔軟な働き方を提示することが可能になるという。

 「コロナ禍も1年半あまりが経過したが、店頭での体感をコアバリューとしてきた活動そのものが制限され、BCのパフォーマンスは低下したままの状態が続いている。特にハイプレステージブランド『コスメデコルテ』にとっては致命的な状況であり、今までの対面の接客レベルを超えるサービスをオンライン上でも提供できないかと考えた。ただ単にビデオ会議システムを活用するのでは到底、対面での接客レベルを超えることは難しいため、デジタル上でもパーソナルなコンシェルジュ活動が実現できるよう、化粧品特有の繊細な色や質感の再現性を高め、オフラインに限りなく近いレベルの高精彩な映像にこだわった。また、店頭のカウンセリングの置き換えではない別次元のものを構築するには、単なる相談といったレベルを超え、予約からカウンセリング、買物、BCへの評価までを全て網羅した全く新しいプラットフォームをつくり上げることが不可欠と考え、社内外の開発メンバーの総力を結集して、その実現に取り組んだ」(命尾氏)

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