コーセー、水だけで発電するスキンパッチシートの実証実験を開始

粧業日報 2022年3月8日号 5ページ

コーセー、水だけで発電するスキンパッチシートの実証実験を開始
 コーセーは、水を含む化粧品と併用するだけで微弱電流を皮膚に流すことができるバイオ発電スキンパッチシート「BIPP」の実証実験を、2月28日から直営店Maison KOSÉ 銀座にて開始した。

 このシートは東北大学大学院工学研究科の西澤松彦教授のグループとサンアローが実用化したもので、水を含むことで発電するため、化粧水などの水を含む製品と併用することにより、通常のシートマスクなどと同じ手軽さで新しいスキンケア体験を楽しむことができる。この実証実験を通して、シートの有用性を検証し、新しい価値提案へとつなげていく。

 皮膚に微弱電流を流すイオン導入は、皮膚を通した薬物などの角層浸透を促進させることが知られているが、これまでは電子機器による適用が一般的であり、機器の購入や使用の手軽さの面でハードルがあった。

 これを解決すべく、同社では東北大学の西澤教授と連携して、電子機器によらない皮膚上で簡便に使用できるデバイス開発を行い、電極に金属を使わず水分によって発電するスキンパッチシートを2014年に開発したが、当時は量産化に課題があり、十分な規模の実証実験には至っていなかった。今回、同教授とサンアローの長年の研究により、量産化が実現し、実証実験を開始することになった。

 新開発のシートは水を加えるだけで発電し、皮膚に安全な微弱電流を流すことができる。水をきっかけとした酵素による化学反応を利用して電流を発生させるため、通常の金属電池などのデバイスを使用する必要がない。全て有機物でできているため、顔や指などあらゆる部位に柔軟にフィットさせることができ、皮膚との密着性や用途の多様さに優れている。
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