三菱ケミカル、「天然ビタミンE製品」の価格を改定

週刊粧業 2022年3月14日号 15ページ

カンタンに言うと

  • 2017年以降、原料価格が高騰
三菱ケミカル、「天然ビタミンE製品」の価格を改定
 総合化学メーカーの三菱ケミカルは、「天然ビタミンE製品」の価格改定を行う。同社の天然ビタミンE製品は、大豆や菜種の食用植物油精製の脱臭工程で発生する脱臭留出物、D.D.(Deodorizer Distillate)を原料としている。

 今回の価格改定は、原料であるD.D.の高騰によるものだという。

 D.D.の価格は、大豆や大豆油の生産を取り巻く環境変化の影響によって、2017年より上昇傾向にあったといい、主要因として、原料大豆の高騰、内陸運賃・海上運賃の高騰および賃上げによる人件費の高騰、脂肪酸の高騰による脂肪酸原料としてのD.D.の引き合い増加のほか、中国を中心とした諸外国企業が高価格帯で購入していることや、副資材・副原料の高騰による製造コスト増などが挙げられる。

 D.D.の価格状況について、2017年を100とすると、2022年時点で、2017年からの累計上昇率は210%となり、今後も上昇する可能性があるという。

 「2021年までは製造元の努力により価格を据え置いていたが、2022年前半の原料契約時に想定外の大幅な価格改定要求があり、各種のコスト削減努力で補える範囲を超えていることから、安定供給のためにやむを得ず価格改定をお願いするに至った」(同社)

 本価格改定はD.D.の高騰に起因するため、D.D.を多く使用する製品、すなわちトコフェロール高含量製品ほど価格改定幅が大きくなる。

 また、昨今δ-トコフェロールの需要が急増している。δ-トコフェロールは大豆の総トコフェロール量のうち2割程度しか含まれず、限られた供給量となるため、δ-トコフェロール含量が高い製品については、価格改定幅が大きくなる。
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