アルビオン、国産ハトムギ「北のはと」の生理活性作用を確認

粧業日報 2022年5月2日号 3ページ

アルビオン、国産ハトムギ「北のはと」の生理活性作用を確認
 アルビオンは、ハトムギの国産品種「北のはと」の生理活性作用に関して国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所と共同研究を行い、油溶性ヨクイニンエキスの生理活性作用に関する研究成果について、「表皮角化細胞に対するヨクイニン抽出物の薬理効果の評価」というタイトルで日本化学会第102春季年会にて発表した。

 ハトムギの国産品種である「北のはと」は、北海道士別市の在来系統から選抜して育成されたもので、北海道北部地域のような寒冷地でも栽培可能な品種として医薬基盤・健康・栄養研究所によって開発され、2007年に品種登録された。

 ハトムギはイネ科ジュズダマ属の一年生草木で、モチ性の子実は生薬「ヨクイニン」として昔から漢方薬に広く利用されており、抗腫瘍活性、抗酸化作用、免疫賦活活性等をもつことが報告されているが、そのメカニズムは明らかになっていない部分が多く、これら作用を示す有効成分も特定されていなかった。

 こうした中、アルビオンではこれまでに、医薬基盤・健康・栄養研究所との共同研究により、「北のはと」の子実から抽出した水溶性のヨクイニンエキスがヒト皮膚由来培養ケラチノサイトにおいてヒアルロン酸合成酵素やNMF(天然保湿因子)前駆体産生促進効果等を有することを明らかにしてきた。

 今回の研究では、水溶性ヨクイニンエキスに加え、これまで検討していなかった油溶性のヨクイニンエキスの生理活性作用に関して検討を行った。

 研究では、表皮ケラチノサイトを三次元培養した表皮モデルにヨクイニンエキスを添加し、その効果を観察したところ、添加していないものと比べて、水溶性/油溶性いずれのヨクイニンエキスを添加した場合にも、表皮、角層の厚みが増し、角層構造が発達しているような様子が観察された。

 次に、抗体免疫染色法により、表皮に発現しているタンパク質を検出したところ、油溶性エキスではロリクリンの発現量が上昇する傾向が見られた。また、水溶性エキスではフィラグリンの発現量の上昇が確認された。

 今回の研究結果から、水溶性ヨクイニンエキス、油溶性ヨクイニンエキスは、それぞれ異なるメカニズムで表皮ターンオーバーに寄与している可能性が示唆された。今後もこれらの各エキスがどのようなメカニズムで表皮細胞に働きかけているのか、さらに研究を進め、製品に応用していく。
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