ポーラ、乳がん罹患者のための美容アドバイス冊子を制作

粧業日報 2022年6月2日号 5ページ

2022年6月2日 11:00

粧業日報 ESG・SDGs・CSR活動

カンタンに言うと

全国の「ピンクリボンのお宿」に加盟する宿泊施設に配布

　ポーラは、乳がん罹患者のためのスキンケア・メークのアドバイス冊子を制作した。この冊子は「ピンクリボンのお宿ネットワーク」に加盟している全国100カ所以上の宿泊施設で配布される。

　「ピンクリボンのお宿ネットワーク」は、乳がんを患い、手術を受けて回復の道を歩みながらも、術後の痕を気にして旅をあきらめてしまうという人たちに、もう一度、誰の目も気にせず旅に出かけてもらい、心ゆくまで旅館・ホテルでの入浴などを楽しんでもらいたいという目的で、全国の病院・看護団体とホテル・旅館が連携し、乳がん治療を受けた人々の旅をサポートするために2012年に設立。ポーラは2021年に新規に会員登録をした。

　誰もが旅を楽しめる環境づくりを目指し、シンポジウムや勉強会を通じてそれぞれの立場、考え方への理解を深めるとともに、業界のみならず広く社会に向けて啓発の輪を拡大するほか、毎年、加盟するお宿情報をまとめた冊子「ピンクリボンのお宿」が発行されている。

　今回のスキンケア・メークのアドバイス冊子は、乳がん罹患者に対し、自身の肌や心の変化と向き合いながらお手入れをすることで豊かな時間を過ごすこと、メークをすることで前向きな気持ちになったり、新しい自分を発見して元気になる一助になることを願い、ポーラがオリジナルで制作した。洗顔・保湿・UVケア等の基本から気をつけるべきポイント、イキイキと明るい印象に見せるメーク、眉毛が脱毛した場合のアイブローの描き方や帽子・ウィッグに合わせる方法などもイラストとともに紹介している。

　ポーラは、2018年4月より、従業員やその家族、約3.3万人のビジネスパートナーを対象に、がんに罹患したポーラで働く仲間が仕事を諦めることなく、「就労と治療」の両立をいかに実現できるかを考え設計した「がん共生プログラム」を続けている。また、がんを治療しながら働く「がんと就労」問題に取り組む民間プロジェクト「がんアライ部」が創設した「がんアライアワード」では、2019年から最高賞であるゴールドを3年連続受賞している。