資生堂、3社協業で化粧品プラ容器の循環モデル構築へ

粧業日報 2022年7月15日号 4ページ

資生堂、3社協業で化粧品プラ容器の循環モデル構築へ
 資生堂は、積水化学、住友化学との協業により、プラスチック製化粧品容器を回収し、分別することなく資源化、原料化を経て、容器として再生する一連の循環モデル構築に向けた取り組みを開始する。

 3社が企業の垣根を超えて連携するとともに、関連する業界や企業にも参加を働きかけ、サーキュラーエコノミーの実現を目指す。

 化粧品容器は、中身の保護、使いやすさ、デザイン性が重視されるため、多種多様なプラスチックから作られているが、それらの分別は難しく、プラスチック資源として循環利用する際の課題となっている。

 そこで、3社は互いの強みを生かして、プラスチック製化粧品容器の回収から再生までの新たな仕組みを構築することにした。

 資生堂は、店頭を通じたプラスチック製化粧品容器の回収スキームの構築と、化粧品容器への再生ポリオレフィンの活用に取り組む。積水化学は、使用済みプラスチックなどの可燃性ごみを分別することなくガス化し、微生物の力でエタノールに変換する「BRエタノール技術」を用いて、プラスチックの原料であるエタノールへの資源化を行う。住友化学は、資源化したエタノールを原料にエチレンを製造する技術を用いて、従来の化石資源を原料とした製品と同等の品質を持つ再生ポリオレフィンを提供する。

 資生堂は、社名の由来でもある「万物資生」の考えに基づき、環境負荷を軽減し、使い捨てではなくサーキュラーエコノミーを実現できる技術やビジネスモデルの創造に取り組んでおり、これまで築き上げてきた幅広い接点を活用し、店頭を通じて使用済みプラスチック製化粧品容器の回収スキームを構築する。

 また、化粧品容器の設計や研究開発におけるノウハウを基に、再生されたポリオレフィンの化粧品容器への再利用を推進する。将来的には同業他社の参画も働きかけ、プラスチック製化粧品容器の循環型リサイクルの実現を目指す。
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