阪本薬品工業、薬用植物 カワラヨモギの栽培普及で地域活性化に貢献

週刊粧業 2022年7月11日号 54ページ

阪本薬品工業、薬用植物 カワラヨモギの栽培普及で地域活性化に貢献
 阪本薬品工業では、ESGへの取り組みとして薬用植物「カワラヨモギ」の栽培普及に取り組み、国産生薬の産地拡大を目指している。

 公益社団法人 東京生薬協会の会員企業でもある同社によると、国内で流通しているカワラヨモギはほとんどが中国産で、品質のばらつきや産地のトレースが困難といった課題が顕著だったという。

 そこで、生薬の基原をしっかりと確認でき、トレースが可能なカワラヨモギの調達に向け、約15年前より国内で栽培から製品まで一貫して製造する取り組みを開始した。

 「カワラヨモギに含まれる『カピリン』は、抗カビ活性を示すことで知られ、産地や種類によって含有量に差がある。カピリンを多く含むカワラヨモギの流通量は特に少ないため、まずは自社でカワラヨモギの播種から試験栽培を実施し、大きいスケールの栽培に必要な種子を得ながら徐々に拡大していった」(同社)

 現在は、幅広い菌に対して抗菌作用を持つ全成分植物由来の化粧品用抗菌製剤「SYプランテックスKNP」などに使用するカワラヨモギを、全国7カ所の農家と共同で契約栽培している。

 各農家が安心して栽培に取り組めるよう、同社が策定した高濃度のカピリンを含有するカワラヨモギの栽培マニュアルに基づいて生産を行っているほか、天災による不作時には栽培にかかる最低経費の費用の一部負担などをサポートしている。

 このようにして栽培されたカワラヨモギは、製品ロットから産地までのトレースが可能で、安心・安全な製品の提供を可能にした。また、「環境・人にやさしい製品開発」のもと、循環型社会の実現を目指し、製造工程で発生する生薬残渣は自然への負荷を低減するため肥料などにしてリサイクルに努めている。

 「生薬栽培は休耕田や耕作放棄地の有効利用だけでなく、就労機会の創出にもつながる。今後も安定した雇用の創出で地域経済の活性化に貢献し、共存共栄により発展していけるような形を目指していきたい」(同社)
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