トレーサビリティが単なるトレンドではなくなった今、透明性を求める消費者の声に応えるため、商品に使用する成分や素材が倫理的に調達されていることを証明する必要性に迫られている。
セントリックソフトウエアでは製品情報の可視性を高め、品質、コンプライアンス、トレーサビリティのリスクを軽減する化粧品業界向けPLM(製品ライフサイクル管理)を提案している。
米国シリコンバレーに本社を置くセントリックソフトウェアが、日本市場での化粧品&パーソナルケア用品向けPLMの展開を加速している。
同社のPLMは、商品づくりに関わるあらゆる情報を管理し、商品開発の最適化、市場投入期間の短縮、商品ポートフォリオと品揃えの最適化を実現するソリューションだ。
商品企画のアイデアから製造にかかわる様々なコスト、原材料や処方に関する品質情報、製造スケジュールの進捗、各種の承認や認証のほか、販売計画の予実など社内に点在するあらゆる商品に関する情報を履歴も含めて一元的に管理することができる。
また、企画、生産、薬事、品質、マーケティングの垣根を超えた部門横断的な商品情報の整流化により大幅な生産性向上を実現する。
原料組成や化粧品・パーソナルケア用品のラベル表示に採用している外部の処方データベース(INCI名、CAS番号、機能や制限などの特徴を持つ成分情報のライブラリ)をPLMに統合することで、開発中の新製品に含まれる原材料の成分把握と国ごとに異なる規制を考慮した処方管理も可能となる。
原材料の原産地情報や製造工場の認証など主張の証拠となる監査文書等もシステム上で管理できる。製品訴求に必要なエビデンスを適正に管理できるため、トレーサビリティの実現が容易になるという。
同社のPLMでは、外部のサプライヤー(OEM製造工場や容器メーカー)とシステムを介して提案や試作品の依頼を行うことも可能だ。サプライヤーはポータルにログインし、見積りや納期を回答できるほか、商品や成分のライブラリを化粧品会社と共有し、テスト結果、特性等の様々な技術情報を直接システムに登録することもできる。
試作品に関する要望や指示等のサプライヤーとのコミュニケーションもシステム内で完結させることができ、煩雑なメールでのやりとりが回避され、試作品のバージョン管理も容易となる。
品質管理面では各マイルストーンの管理ポイントで承認プロセスを設けることで、人手による情報の集約作業や属人的で反復的な確認作業を一掃できる。
これらの機能が評価され、今月にはプレミアアンチアイジング社に採用されたほか、化粧品メーカーからの引き合いが着実に増えているという。