ライオン、ハミガキ剤の香味が幼児の歯みがき行動に影響

粧業日報 2022年10月5日号 4ページ

ライオン、ハミガキ剤の香味が幼児の歯みがき行動に影響
 ライオンは、臨床研究を実施し、子ども向けハミガキ剤の香味が幼児の歯みがき行動に及ぼす効果を明らかにした。なお、同臨床研究に関する内容は、8月22~24日に開催された「2022年度 日本味と匂学会 第56回大会」にて発表した。

 歯みがき習慣は、口腔内の環境を清潔に保ち、う蝕や歯周病などの口腔トラブルを予防するために大切だが、乳幼児期の歯みがきの習慣づけには、歯みがきを無理やりではなく、自発的に行えるようになるためのサポートが重要となる。

 そこで同研究では、同社が長年にわたり研究・活用してきた「天然ミント油」特有の「甘さ」に着目。天然ミント油から独自に開発した、甘味剤にはない独特の甘さを持つミント抽出物を、ある一定量フルーツ香味の香料に配合することで、フルーツのナチュラルな「甘さ」の持続に寄与することを見出した。

 2020年11~12月にかけて行われた試験では、このミント抽出物を配合したフルーツ香味の香料を用いて、子ども向けハミガキ剤の香味が幼児の歯みがき行動に及ぼす効果を検証した。

 具体的には、仕上げみがきに苦労を感じている親と、その6~7歳の幼児23組(親:女性23名、幼児:男子8名、女子15名)を対象に試験を実施。対象者を、「天然ミント油」由来のミント抽出物を配合したフルーツ香味の試験用ハミガキ剤を使用する「ミント抽出物あり群」(12組)と、ミント抽出物を配合しないフルーツ香味の試験用ハミガキ剤を使用する「ミント抽出物なし群」(11組)とに分け、試験用ハミガキ剤を用いて30日間自分みがきと仕上げみがきを行ってもらった。

 その結果、ハミガキ剤の香料に用いられる「天然ミント油」由来で、甘味剤にはない独特の「甘さ」を持つミント抽出物が、幼児の歯みがき行動に影響を与えることが示唆された。「ミント抽出物あり群」では、試験用ハミガキ剤の使用期間開始時と、使用期間終了時に、試験参加前に使っていたハミガキ剤を用いた時の歯みがきと比べて、「退屈・つまらない(仕上げみがき時)」様子、「面倒(仕上げみがき時)」な様子が減ることを、幼児の様子に関する親へのアンケートから確認した。また、試験用ハミガキ剤の使用期間終了時には、「ミント抽出物あり群」は「ミント抽出物なし群」に比べて、これらの様子がより減少していることがわかった。

 このことから、「天然ミント油」由来の独自に開発したミント抽出物が、幼児の歯みがき行動に影響を与えることが示唆された。
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