ライオン、「健口眠体操」搭載の介護ゲーム機を販売開始

粧業日報 2022年10月7日号 4ページ

カンタンに言うと

  • 介護施設で口腔・睡眠・運動器を楽しくトレーニング
ライオン、「健口眠体操」搭載の介護ゲーム機を販売開始
 ライオンは 、TANOTECHと共同で、「健口眠体操」を搭載した介護施設向けゲーム機「TANO-LT」の販売を9月27日から開始した。

 「健口眠体操」は、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座 松平浩特任教授と同社が共同開発した体操で、3つの機能(口腔・睡眠・運動器)を同時にトレーニングすることができる。

 TANO-LTは、この「健口眠体操」をゲーム化し、介護施設で高齢者が楽しく継続的に体操を行えるように工夫した介護ゲーム機で、センサーの前で体を動かすだけで、180種類以上の運動・発声・脳活性化プログラムを行うことができる。

 「画面に表示された健口眠体操の動きを真似すると、センサーが骨格を読み取り、正しい動きと照らし合わせて骨格の一致率を点数化し、リアルタイムに表示する。これにより、自分の点数を上げる努力のきっかけを作ったり、他の人と競い合ったりなど、ゲーム感覚で体操を行うことができる。楽しくトレーニングを続けられることで、加齢により心身が老い衰える『フレイル』の予防を期待できる」(同社)

 実際、先行導入したHITOWAケアサービスの有料老人ホームでは、入居者の自立支援とサービスの質の向上につながり、生産性も向上するなどの評価が得られたという。

 同社は、現在、全国で約1600万人の高齢者が運動器機能や認知機能の低下、口腔機能の低下による嚥下障害など、日常生活に様々な課題を抱えている状況に対応すべく、口腔・睡眠・運動器の3つの機能を「同時に」トレーニングする「健口眠体操」を2022年1月に開発した。

 この体操は、座ったまま5分間で21種類の運動を実施可能な体操で、東京大学医学部附属病院22世紀医療センター 松平浩特任教授、トランクソリューション社と共同で開発した。

 さらに、この体操を無理なく楽しく続けてもらうためにゲーミフィケーションの考えを取り入れ、TANOTECHのゲームシステム「TANO」に導入されている、身体の動きをセンシングする技術と「健口眠体操」を組み合わせたバーチャルゲームプログラムを開発した。

 このバーチャルゲームプログラムを試験的に導入した介護施設(デイサービス)の利用者からは、「楽しく運動できる」「体を動かしやすくなった」など高評価を獲得したほか、施設運営者からも「施設を利用するきっかけとなり、キャンセル率の大幅低下につながった」という評価を得た。

 そこで今回、「TANO」に「健口眠体操」のバーチャルゲームプログラムを搭載した、介護施設向けゲーム機「TANO-LT」の販売を、TANOTECHと共同で開始することにした。

 今後はこのゲーム機の機能をさらに改良し、介護分野での楽しい健康習慣づくりを提案することで、心と身体の健康増進を目指していく。
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