花王とキリン、内臓脂肪と免疫の関連について共同研究を開始

粧業日報 2022年11月17日号 2ページ

カンタンに言うと

  • 内臓脂肪・免疫領域の研究力を掛け合わせ新たなエビデンスの獲得めざす
花王とキリン、内臓脂肪と免疫の関連について共同研究を開始
 花王とキリンホールディングスは、和歌山県立医科大学が主宰し、NPO法人ヘルスプロモーション研究センター(HPRC)が取りまとめているコホート研究「わかやまヘルスプロモーションスタディ」に2022年11月から参画し、内臓脂肪と免疫の司令塔(プラズマサイトイド樹状細胞、pDC)などの活性について、その関連を調査する研究を共同で実施する。

 「わかやまヘルスプロモーションスタディ」とは、和歌山県の地域住民を対象として、各種疾患の発症に関わる遺伝や環境要因を明らかにすることを目的として、2011年から和歌山県立医科大学が主宰し、現在はHPRCと共同で進めているコホート研究。これまでは生活習慣や筋肉量に関する研究を進め、筋肉量の減少と動脈硬化の発症の関係や転倒歴と自発運動量の関係など、いくつもの原著論文を発表してきたが、免疫機能に関する研究を行うのは今回が初めて。

 花王とキリンは、HPRCの当該研究を通して内臓脂肪量とpDC活性の関連を明らかにすることで、将来的に、生活者の健康リスク低減をめざした取り組みを進めていく。

 研究では、花王が生活習慣病の根底にある内臓脂肪蓄積を改善するために構築してきた研究力と、キリンが35年以上続けてきた免疫領域での研究力を掛け合わせることで、内臓脂肪とpDC活性の関連の解明を目指す。2011年から和歌山県在住の住民を対象に行われている「わかやまヘルスプロモーションスタディ」の追加研究として実施する。

 2022年11月に和歌山県にて、40~55歳の住民(男女300名)を対象とした特定健診を実施し、花王が生活習慣や内臓脂肪量のデータを、キリンが血液中のpDCを含む樹状細胞の活性に関するデータを採取。それらのデータを相互に共有し、内臓脂肪とpDC活性の関わりを共同で研究・解析する。

 肥満は、世界保健機関(WHO)によって「異常あるいは過度の脂肪の蓄積により健康リスクが高まった状態」と定義されており、慢性疾患のリスク上昇につながることが指摘されている。

 肥満が健康にもたらす影響については、世界各国で研究が進められているが、近年、肥満はウイルス感染症の重症化につながるなど、肥満と免疫の関連性が注目されている。
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