花王、RORO船定期航路化で製品の安定供給と環境負荷低減を実現

粧業日報 2022年11月21日号 6ページ

花王、RORO船定期航路化で製品の安定供給と環境負荷低減を実現
 花王は、和歌山工場から首都圏への製品輸送に、トラックの運転車両を切り離してトレーラー(貨物部分)のみを運搬するRORO船を利用することにより、トラックドライバーの長時間・長距離輸送の負担を軽減し、CO₂排出量削減など環境負荷の低減を進める。

 積み荷の移動にクレーンが不要で、災害時の支援物資などの輸送に有効なRORO船の定期航路化を進める和歌山県と連携し、和歌山市近隣企業や運送会社と協力して2022年6月に試験輸送を実施した結果、10月8日から毎週土曜日の定期航路として就航が実現した。

 取り組みでは、和歌山工場から約1kmの和歌山下津港にて、製品を積載したトレーラーを愛媛県の大王海運が運行するRORO船に積み込み、ドライバーは運転車両を切り離して下船、トレーラーのみ千葉中央港へ海上輸送する。千葉中央港に到着後は別のトラックドライバーが運転車両をトレーラーに連結して、沼南(千葉)、岩槻(埼玉)、八王子(東京)、川崎(神奈川)の各物流拠点へ輸送する。

 安定した輸送能力を確保するためには、トラックドライバー不足対策と労働環境改善への対応が重要だが、今回のモーダルシフトにより、600km近い距離を無人で輸送することができ、陸送距離が短くなることでドライバーは日帰りで運行が可能となる。運送費用は一部輸送ルートでは増加するが、CO₂排出量を年間355トン削減できる見込みのため、ICP価格(1万8500円/トン-CO₂)を考慮することにより今回の取り組みが可能となった。
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 花王、RORO船定期航路化で製品の安定供給と環境負荷低減を実現

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop