プラシーズ、廃棄扱いの移行材をプレコンシューマー材として再利用

週刊粧業 2023年1月1日号 93ページ

プラシーズ、廃棄扱いの移行材をプレコンシューマー材として再利用
 化粧品容器総合メーカーのプラシーズは、プラスチック原料の製造工程で発生する移行材(プラスチック原料廃棄物)が大量廃棄されていることに着目し、そのプラスチック原料廃棄物を使用したPET容器の開発に成功した。

 田中雄一会長は、「化粧品容器の再生循環モデルは、消費者が使い終わった後のプラスチック容器を回収して再利用する仕組みがほとんどだが、製造の川上にもプラスチック使用量に関する課題があった。製造段階で廃棄されているプラスチック原料を再利用する循環モデルへの理解を広げ、プラスチックの使用削減に貢献していきたい」と話した。

 同社の材料担当者は、仕入先である樹脂材料メーカーが移行材として廃棄していたプラスチック量が年間約100トンに及ぶことを知り、仕入先メーカーにプレコンシューマー材として再利用することを提案し、今回の製品化が実現した。

 意匠性が高い化粧品の容器では、移行材の使用は難しいとされてきた。同社は、コロナ前から開発・試作を進め、従来のPETと遜色のない物性を示すことを確認した。クリーム容器やシャンプーボトルなど様々な用途に使用が可能だ。最終製品にはエコマークを付与することもできる。今回の取り組みや製品の詳しい特徴については、1月中旬に情報公開する予定だ。

 同社は国内2工場体制で、プラスチック容器と中国事務所を拠点に紙器を自社で一貫生産できる体制が整う。

 環境に配慮した容器の開発においても、独自のノウハウを活かし、バイオマスプラスチックや生分解性プラスチックなどを使用した容器や紙製容器の開発に成功している。

 環境に配慮した容器について、田中会長は「多少価格が高くても採用する企業も徐々に増えてきている」と話す。ただ、価格のハードルを越えられず、検討止まりの企業も多いようだ。

 移行材を使用したPET容器は、安価での提供が可能であることも大きな特徴だ。

 田中会長は、「環境配慮型容器は価格が高いというイメージも払拭していきたい」と話している。
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