グラセル、環境を切り口にした容器提案に厚み

週刊粧業 2023年1月1日号 91ページ

カンタンに言うと

  • 中国市場の開拓にも意欲
グラセル、環境を切り口にした容器提案に厚み
 化粧品容器業界で国内大手のグラセルは、環境への取り組みとして準備を進めてきた、国内容器会社3社共同で取り組む化粧品・トイレタリー容器の循環型リサイクルシステム「BEAUTYCLE(ビューティクル)」事業を2023年春にスタートする。

 谷村敏昭会長は、「BEAUTYCLE事業を核にサステナビリティの取り組みを活性化させていく」と話している。

 ――22年を振り返っていかがですか。

 谷村 22年3月期は売上目標に掲げてきた200億円を突破し、過去最高売上を達成することができた。その分、今期(23年3月期)は業績的には前年ハードルが高いが、新規顧客の開拓状況は悪くなく、業界は回復基調にあるとみている。

 当社は「魅力ある容器」をテーマに新製品を開発し続けることを自社の強みとして、業績を伸ばしてきている。今後も新製品の開発の手を緩めることはないが、日本国内の市場競争はさらに激しさを増す。20年、30年先も持続的な成長を実現していくには、もっとお客様に寄り添った営業力が必要になってくる。

 そうした危機感を持って、今期より新製品を中心とした社内セミナーの実施を増やしている。これまでは多種多様な容器のラインナップにお客様から興味を持っていただけていたという一面がある。自社製品の理解を深め、グラセルの強みを再確認し、一人ひとりの営業提案力を高めていく。

 ――商品開発では、持続可能な容器の提案にも力が入ります。

 谷村 環境にやさしい容器に関しても、ここ数年で取扱製品数は業界トップクラスで、バリエーションも豊富だという自負はある。化粧品容器は、デザイン性と機能性の両立が重要とされてきたが、お客様からの要望として環境配慮の要素が不可欠になってきている。来期は環境・エコ容器の取引数量がさらに増えることを想定し、開発・提案を強化していく。

 また、来期よりBEAUTYCLE事業を本格始動する。化粧品容器のリサイクルに対する理解を深め、参画企業を増やしていきたい。

 ――成長戦略では海外もキーワードになってきます。

 谷村 韓国や中国で作られた容器の品質レベルは高まっている。これまで価格の安さが強みだったが、デザイン性や機能性にもすぐれた容器が増え、当社でも取引数量は年々増えてきている。

 22年秋頃からインバウンドは回復傾向にあるが、コロナ前ほどの勢いはない。インバウンド消費の中心国だった中国は、ローカルブランドが急成長し、「メイド・イン・ジャパン」のブランド力が低下してきている。

 だが一方で、日本の技術だからこそ実現できる容器はたくさん存在する。そうした日本独自の容器で海外需要を取り込んでいきたい。

 まずは、世界的にも成長性の高い中国化粧品市場で日本製容器の需要創出を目指していく。
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > グラセル、環境を切り口にした容器提案に厚み

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop