日進化学、生産管理のIoT化でQCD向上

週刊粧業 2023年1月1日号 89ページ

カンタンに言うと

  • 開発技術部の再編で提案力も強化
日進化学、生産管理のIoT化でQCD向上
 国内3工場体制で化粧品OEM/ODM事業とエアゾール事業を展開する日進化学は、「生産性の向上」と「付加価値の創造」を両立させて持続可能な成長を目指す。髙田寛社長に話を聞いた。

 ――2022年もコロナ禍が続きました。

 髙田 22年は行動制限が徐々に緩和され、10月以降は訪日外国人客の受け入れ解禁で訪日客数は増えている。人流とともに受注状況は回復してきており、当社も今期(23年3月期)は受注ベースで前年同期を上回って推移している。

 ただ、アルコール消毒や巣ごもりなど20年や21年に見られた特需要素がなくなり、市況が読みづらくなっている。

 このような状況の時こそ、自社ができること、やるべきことを見極め、投資を行っていく必要があると考えている。

 ――今後の強化ポイントをお聞かせください。

 髙田 「生産性の向上」と「付加価値の創造」の実現に向けた取り組みをさらに強化する。

 生産性向上では、「スマートファクトリーの実現」を目指し、引き続き機械化やIoT・DX化を推進する。

 コロナ禍の市場低迷で受託製造(OEM)案件も競争が激化している。製造品質や安全性を向上させ、ブランドメーカーと同等レベルの工場を維持していくことが重要になっている。

 数年前から原材料の受け入れ・保管から秤量、調合、充填・包装、製造、品質管理まで一貫した生産管理システムの構築を進めてきた。来期の前半には、それら全てのデータを一元管理し、業務の進捗状況を可視化できるようになる。製造業の課題である人材不足を解消しつつ、生産技術の向上を図り、高いレベルのQCDを実現することで、OEMビジネスを拡大していく。

 ――「付加価値の創造」では、ODMの推進強化を掲げてきました。

 髙田 付加価値創造の実現に向けては、顧客ニーズの多様化が進む中で、各領域・分野の専門性を高めていく。

 今期はそのための組織変更も行った。従来の開発技術部を、エアゾール製品の開発を担う開発技術1部、液体製品を開発する同2部に分け、ODM開発チームも立ち上げた。

 ODM開発チームは、マーケットインの視点で、市場の動向や成長性、消費者ニーズなどの分析を行っていく。

 それら分析データをもとに、付加価値の高い製品づくりを推進し、提案力の底上げを図っていく。
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