ホルス、ヘアケアに特化した幹細胞培養液の提案を強化

週刊粧業 2023年1月30日号 6ページ

カンタンに言うと

  • 粉末化が可能な新工場が完成間近
ホルス、ヘアケアに特化した幹細胞培養液の提案を強化
 化粧品の原料開発からOEM・消費者向け販売をグループで手掛けるホルスは、「サイタイ血幹細胞培養液」を中心に、同社グループにしかないオリジナル原料の提案を行っている。

 三井幸雄社長に話を伺った。

 ――「サイタイ血幹細胞培養液」について改めてお伺いします。

 三井 幹細胞とは、細胞の基となる細胞を指し、自分のコピーを生成する「自己複製能」と身体を作る様々な細胞へ変わる「分化能」を併せ持っている。ヒト由来の「幹細胞」を培養して得られる上清液「幹細胞培養液」を化粧品に配合すると、細胞にアプローチし、肌根本からの改善が期待できる。

 当社が開発した「サイタイ血幹細胞培養液」は、臍帯血(へその緒)に含まれる幹細胞を培養して得られる上清液で、日本国内の産婦人科から協力を得て20~30代の「日本人」由来の臍帯血に含まれる幹細胞を使用している。

 臍帯血の採取から製造までの一連の流れを日本国内で行っており、「完全国産化」を実現している。

 欧米で古くから「臍帯血療法」によって免疫の治療が行われており、また胎児由来の若い細胞であることから「臍帯血」に着目した。実際に当社では、同原料の有効性を確認できるデータを多数取得している。

 世界で初めて表示名称「ヒトサイタイ血幹細胞順化培養液」とINCIを取得しており、これによってサイタイ血由来であることと、幹細胞であることが明示可能になり、他メーカーとの差別化した訴求が可能になっている。

 ――現在注力している新原料を紹介していただけますか。

 三井 先日の化粧品開発展のタイミングで正式に上市した「毛根幹細胞培養液」に注力している。

 毛根幹細胞とは、毛包中腹部のバルジ領域や毛球部に存在し、 毛髪を構成する組織の基となっている細胞で、毛髪が生える土台である毛包を形成することや、毛髪の成長を促す毛母細胞などの各細胞組織に分化することで、毛髪の成長に深く関与している。

 この毛根幹細胞を採取し、培養して得られた上清液が「毛根幹細胞培養液」だ。

 毛髪が一定の周期で発育し、1本の毛が成長し始めてから抜け落ちるまでを毛周期といい、毛母細胞が分裂・増殖する成長期、毛髪の成長が止まる退行期、完全に活動が止まる休止期の大きく3つに分けられる。

 毛根幹細胞培養液は、成長期だけでなく、毛周期全体にアプローチすることで、毛髪の成長はもちろん、毛包を引き締めることで抜け毛を防ぎ、次の毛が生えてくるまで維持するというサイクルの正常化も期待できる。

 また、毛根由来のサイトカインだけでなく、 話題の有用成分「エクソソーム」をバランスよく含有しており、毛根幹細胞の増殖と毛根内の各組織に最適な環境を促す。

 当原料を3%配合した育毛エッセンスによるモニター試験では、8週間継続的に塗布することで、塗布前と比較して約1.5倍毛髪の伸長作用があることを確認している。

 また、当社の毛根幹細胞培養液は、健常な日本人由来の毛根幹細胞を 使用し、採取から製造まですべて日本国内で行なった、「完全国産化」を実現している。さらに、世界で初めてINCIを取得したほか、新たな表示名称についても申請をしている。

 血行促進により毛髪の成長を促す原料はこれまでもみられたが、ヘアケアに特化した幹細胞培養液という新規性が、化粧品開発展でも多くのお客様から注目を集めた。

 ――新工場についてもお聞かせください。

 三井 埼玉県飯能市にて、新工場が完成間近となっており、粉末原料の自社製造を行うことが可能になる。また、他社からの委託も受け入れる予定となっており、より一層提案の幅を広げていく。
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