DRC、中国で特殊化粧品を中心に受託好調

週刊粧業 2023年4月10日号 20ページ

カンタンに言うと

  • ex vivo試験は組織の種類を拡充
DRC、中国で特殊化粧品を中心に受託好調
 国内3拠点で化粧品・医薬部外品の有効性および安全性の評価試験を行うDRC(本社=大阪)は、海外拠点として中国・フランス・タイの3カ所に試験施設を構えて受託評価試験サービスを提供している。

 中国では、浙江大学華南工業技術院と共同で、広州市(広東省)にNMPA認定の化粧品評価試験施設を運営し、化粧品薬事申請用の試験を実施している。安全性・有効性の評価試験から、NMPAへの化粧品や原料の登録申請代行サービスも開始している。昨年12月には現地で日本人スタッフが対応する体制を整え、技術的なサポートを強化した。

 現地で技術サポートを行う本多達也氏は、NMPA認定の評価試験機関が増え、試験の価格競争が激しくなる中で、「中国では評価試験の品質に対する理解がまだ浅いが、当社は浙江大学と日本企業が運営する試験機関として、技術に裏付けられた高品質の試験と透明性の高いコミュニケーションを重視するサービスを提供しており、ご依頼いただいた企業から好評を得ている。中国企業からの試験依頼も増えている」と話す。

 NMPA申請では、美白化粧品や抜け毛防止製品、UVケア製品など特殊化粧品の試験対応で忙しいという。本多氏は、NMPA申請が一巡した後は、製品の差別化に向けた評価試験の需要が増えてくると予想している。

 「日本と同様、中国でも製品のポテンシャルを引き出し、差別化や高付加価値化につながる評価試験を提供していく」

 フランス・パリ郊外で、ヒト摘出皮膚を用いた試験を提供する「SOLA」では、従来の腹部や胸部の皮膚に加えて、頭皮から単離した毛包組織の取り扱いを新たに開始した。育毛に関連する評価試験をメニューに加える。

 SOLAの開設以来、製剤の有効性評価や原料スクリーニングに加え、学術的な研究目的でex vivo試験の利用ニーズが高まっている。次のステップとして、今後も取り扱う組織の種類や評価項目を増やし、様々な試験ニーズに対応できる体制を整えていくという。
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