資生堂、CESイノベーションアワード2025を2つの研究技術が受賞

粧業日報 2024年11月25日号 2ページ

資生堂、CESイノベーションアワード2025を2つの研究技術が受賞

 資生堂は、技術・デザイン性・革新性などの観点から優れたデジタル技術やテクノロジー製品を表彰する国際的なアワードプログラム「CES イノベーションアワード 2025」にて、過去最多となる3400件以上の応募の中から「歩容美測定」と肌測定機器「Beauty Alive Circulation Check」の2つの研究技術が受賞した。

 今回受賞した研究技術は同社のR&D理念である「DYNAMIC HARMONY」のもと、独自の保有データや知見をもとに一人ひとりの肌悩みに対応できるよう、研究開発が行われた。今後も、100年以上にわたる研究知見とDX(デジタルトランスフォーメーション)を融合することで研究領域を深化させ、変化する社会環境や多様化するニーズに迅速かつ幅広く対応していく。

 ビューティー&パーソナルケア部門受賞の「歩容美測定」は、資生堂研究所のオープンイノベーションプログラム「fibona(フィボナ)」がORPHE(オルフェ)との共同研究によって開発したビューティーソリューションで、全ての動きの基礎となる「歩行」に着目し、靴の甲に取り付けた小型センサーと解析アプリを用いて歩容の美しさを評価、得られた結果をもとに一人ひとりの状態に合わせた歩き方や顔の印象などについて提案を行う。

 200件以上のデータを用いて歩容の視覚的な美しさを「いきいき」「のびのび」「やわらか」の3項目で評価し、目視により定量的に評価する手法を確立してきた。さらに、共同研究を進めているORPHE社の歩行解析システム「ORPHE ANALYTICS」を用いて、個々の歩容に簡便にアクセスし、精度高く評価する独自のアルゴリズムを構築した。靴の甲にセンサーを取り付け、約10m歩く様子を横から動画撮影するだけで、わずか数分のうちに評価することができる。美しい歩容を続けることで、所作や仕草の美しさだけでなく、骨格筋指数の増加や体脂肪率の減少、肌の血色や表情など顔の印象、心理状態が前向きになるなどの効果が明らかになっている。その結果を踏まえ、歩容を美しくするためのストレッチや運動など、パーソナライズな提案ができる。

 ビューティー&パーソナルケア部門受賞の「Beauty Alive Circulation Check」は、2021年に資生堂初の肌内部の美のめぐりを可視化する肌測定機器として登場以来、生活者のニーズに合わせて進化を続けている。

 性別・肌色・肌タイプに関係なく、肌に触れたりメークを落としたりすることなく、「目に見える」肌表面と「目に見えない」肌内部の毛細血管の状態を赤・緑・青の光を使ってフルカラー画像を撮影するRGBカメラと熱を検知するサーマルカメラの2種類のカメラを用いて測定・視覚化。その結果を踏まえ、肌状態の傾向を予測し一人ひとりに合った最適な美容アドバイスを提供する。今回、新たに光干渉断層血管撮影技術(OCTA)の測定データを活用し、機器の測定結果からアルゴリズムを組むことで、毛細血管の均一性だけではなく密度も可視化する技術を開発した。血管の状態と肌状態は密接に関わっており、きめ細かで均一な毛細血管が健やかな肌を形成していることが同社の研究から明らかになっている。

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