MP五協フード&ケミカル、欧州で本格的な営業活動を開始

週刊粧業 2024年12月2日号 9ページ

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MP五協フード&ケミカル、欧州で本格的な営業活動を開始

 MP五協フード&ケミカルは1964年に世界で初めて天然物由来の多糖類「タマリンドガム(タマリンドシードガム)」の工業化に成功し、60年の節目の年を迎えた。食品用途ではグリロイドの製品名で販売されている。増粘やゲル化にとどまらず、離水抑制やでんぷんの老化抑制、冷菓の氷晶安定など様々な物性を有する多糖類として評価されてきた。

 ソース・たれ、アイスクリーム、ドレッシングなどを中心に幅広い用途で採用が進んだ。直近では急ピッチで化粧品原料として普及している。化粧品原料としては、高度に精製したタマリンドガムをTAMAVISCOの製品名で販売している。天然物由来であることからSDGsや環境配慮で脱石油化学製品にシフトする動きに合致し、需要が伸びている。

 化粧品の分野では、グリセリンの保湿作用を長時間維持する保湿ブースト作用がある多糖類として浸透した。近年では前述のSDGsの気運の高まりもあり、大型製品で合成ポリマーから切り換えられ、販売ボリュームが大きくなっているという。2030年に向けて、多糖類をはじめ化粧品原料の売上を大きく伸ばす計画を立てている。化粧品市場はトレンドの影響が大きい。特にヨーロッパではナチュラル志向や脱石油化学製品へのシフトが加速していることから、TAMAVISCOのポテンシャルに期待している。昨年末に現地の企業と代理店契約を結び、本格的な営業活動を開始した。

 TAMAVISCOに限らず、ニーズに合う製品を提供するサプライヤーの探索を国内外問わず行い、幅広い取扱原料を組み合わせて、データ取得や処方開発を行うことで、トレンドに合った化粧品開発をサポートしていく。データや処方の提供にとどまらず、商品コンセプトからの提案も行っている。

 従来は自社製品の物性に焦点を当てて、顧客の処方開発者や研究者に紹介していた。最近は企画会社やOEM、メーカーのマーケティング部門の担当者にもアプローチして、コンセプトを含めた包括的な提案を行っている。社内ではこれをコンセプト営業と称していて、例えば、植物を使ったエキスなど、原料そのものを紹介するのではなく、原料の組み合わせやコンセプトを提供し、クライアントがより最終製品をイメージしやすい状態で提案する。

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