香栄興業では、「安心・安全」「高機能・高品質」という切り口が以前にも増して求められるようになる中、環境に配慮した原料への要望が増えてきており、原料選定から加工・分析まで行う「カスタムオーダー特注原料」の拡販に注力している。
「独自素材を持ち込み、この残渣をアップサイクルして欲しいといった問い合わせが増え、アップサイクルへの関心が高まってきている。しかしながら、独力でサステナブルな循環システムを構築することは難しい。当社ではアップサイクルに向けてのノウハウや契約農家とのコネクションを有しているので、まずは気軽に相談して欲しい」(技術部 三谷茂樹氏)
最近では、アップサイクル化した「カスタムオーダー特注原料」の機能性を高めるべく、発酵エキス化したいといった要望も増えている。ここ数年ラインナップの強化を進めてきた「植物発酵エキス」については、菌種と植物の組み合わせでオリジナリティを発揮できる点や、発酵エキス化することで機能性が高まり独自素材の幅が広がる点への周知が進んでおり、採用件数が着実に積み上がっている。
「他社との差別化を図るため原料にストーリー性を持たせたいという声が高まっている。カスタムオーダー特注原料や植物発酵エキスはそうした要望に合致する取り組みであり、拡販に努めていきたい」(三谷氏)
同社では、タモギタケの子実体から抽出・精製して得られるL-エルゴチオネインを調製した「Natural ERG Liquid(医薬部外品用)」を注力原料に位置づけ強化を図っている。
生体内成分で安全性が高く、抗酸化・抗炎症・シミ抑制などの効果が期待できる点をアピールし、受注拡大につなげていく。
主力原料であるホホバでは安定供給対策として、霜害の起こりにくい地域への植付などで不作を防いでいるほか、農園にも備蓄をしてもらうことで二重のセーフティーネットを張り、供給が滞ることのないよう万全な体制を構築している。「香栄興業と言えばホホバ」という認知を広めつつ、ユニークな特性をもつホホバを末永く活用してもらうことを目指していく。
今後については、「『お得意様との共生』という企業理念のもと、社内コミュニケーションを密にし、素早い対応に心掛け、いち早く斬新な企画が提案できる小回りが利く体制を構築していきたい」(藤倉努取締役)という。
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この記事は週刊粧業 2024年12月2日号 7ページ 掲載
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