週刊粧業 2024年12月9日号 1ページ
カンタンに言うと
2024年の化粧品市場は、物価上昇や製品の高付加価値化によって拡大が続いた。主要シンクタンクの2024年市場予測をみると、富士経済と矢野経済研究所が4.2%増、TPCマーケティングリサーチが2.6%増となっている。2024年1~8月の化粧品出荷額も前年同期比9.7%増と高い伸びを示している。
百貨店で販売される外資系ブランドの化粧品は、原材料価格の高騰や円安による輸入コストの増加、包装資材などの値上がりの影響で2023年以降値上げが続いている。
帝国データバンクの調査では、価格改定理由が判明した31ブランドのうち、最も多かった要因は「原材料価格の上昇」で29ブランドにのぼり、値上げ理由の9割超を占めた。「輸送費の上昇」も11ブランドが値上げ要因に挙げているほか、労務費の上昇など「生産コストの上昇」も多かった。特に外資系ブランドは、グローバル戦略の一環として他国の価格水準に合わせる「内外価格差の是正」といった理由も散見された。
こうした状況下、資生堂やコーセーなど国産ブランドもコスト増を転嫁する形で価格改定に踏み切った。物価高による消費の冷え込みも懸念されたが、百貨店においては高品質を求める生活者の需要は高く、値上がりによる購買抑制はさほどみられず、高付加価値化が市場全体の成長を促す形となった。
スキンケアでは近年、エイジングケアに関心が集まっており、最新技術や成分が盛り込まれた高付加価値製品への需要が高まっている。
具体的には、AIや遺伝子解析技術を活用したパーソナライズド製品やサイエンスに裏付けされた製品など、生活者ニーズに応える形で高価格帯製品が増加している。
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この記事は週刊粧業 2024年12月9日号 1ページ 掲載
■化粧品・日用品業界10大ニュース⑴ 物価上昇や製品の高付加価値化で市場が拡大⑵ 歴史的な円安を受けインバウンドが本格回復⑶ 化粧品日用品各社、異業種連携の新事業を始動⑷ 成分トレンドで韓国コスメやプチプラが人気⑸ 化粧品OEM業界も再編の時代に突入⑹ 猛暑でUV製品、制汗剤などシーズン品が好調⑺ 物流の2024年問題で業種を越えた協業が進展⑻ 紅麹問題で機能性表示食品制度の見直しへ⑼ AI...
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