特許を取得した独自製法(DEN製法)により、溶解性マイクロニードルの製造・販売を行うRAPHAS JAPAN(ラパスジャパン)は、化粧品事業のほかにも乳酸菌の原料・製品の販売を手がけており、肌健康の本質に身体の内外からアプローチして肌悩みの根本的な解決を目指している。
今回のセミナーでは、同社が持つ独自素材で、ヒト由来の殺菌乳酸菌素材「nanoECF」(Entero Coccus Faecalis、エンテロコッカス・フェカリス菌)の役割と効果的な使い方に加え、nanoECF乳酸菌を配合した製品事例を紹介する。
権有利(グォン・ユリ)社長によると、乳酸菌は免疫細胞を活性化させる腸内細菌の餌となり、免疫細胞が健康になることで免疫力が増強され、必要一定数の腸内細菌数の調整と活性化の調節により過剰な免疫反応を抑制し、様々なアレルギー反応を抑制するという。
また、乳酸菌は白血球(マクロファージ)の餌にもなり、有用微生物の乳酸菌を吸収した白血球はより強力な白血球へと成長する。
「230人の子どもに1000億個から10兆個の乳酸菌を摂取してもらった結果、乳酸菌は多く摂れば摂るほど免疫の活性度が上がっていることがわかり、乳酸菌を食べた回数よりもいかに菌数を摂取するかが重要であることが明らかとなった。乳酸菌に関しては、ヤクルト中央研究所がLactobacillus caseiシロタ株の生菌と死菌(加熱殺菌)の効果を比較し、死菌乳酸菌を投与したマウスが生菌を投与したマウスより同等、またはそれ以上の感染予防効果があると1998年に発表している。死菌・生菌どちらも腸内フローラに働きかけるもので、摂取する乳酸菌の数が多ければ多いほど免疫活性度を高め、一回の摂取量・使用量は2兆個以上から効果があるとされており、摂取菌量が非常に重要なポイントだ」(権社長)
nanoECF乳酸菌は、エンテロコッカス・フェカリス菌を加熱殺菌した安定型乳酸菌で、乳酸菌の菌数が1gあたり8.8兆個以上を実現している。乳酸菌の粒子サイズを約0.6㎛までナノ化し、腸内吸収率が飛躍的に向上した。
「腸内に流入するための最適な条件を調べた結果、乳酸菌の粒子の大きさが10㎛を超えると腸内吸収率が低下し、白血球が腸内細菌を食べるためには小腸にある免疫組織のパイエル板を通過できる形と大きさ(20㎛以下)が最も重要であることがわかった。一般的な乳酸菌のビフィズス菌やラクトバチルス菌が5~10㎛の粒子サイズであるのに対し、nanoECF乳酸菌は約0.6㎛というナノサイズの皮膚や腸の粘膜に吸収しやすい円形の乳酸球菌で、腸内に流入するための最適な条件を備えている。また、エンテロコッカス・フェカリス菌は一般乳酸菌に使用されるCasei菌などの乳酸菌に比べて免疫活性能力が優れており、白血球の活性度を高めることも確認されている」(権社長)
常在菌バランスを保ち肌のバリア機能を高める
「美肌乳酸菌1兆 フェースクリーム」を開発
nanoECF乳酸菌の美肌効果としては、糖尿病マウスの皮膚の創傷治癒としてエンテロコッカス・フェカリス菌を投与した結果、肌のうるおいやハリを支えるコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなどを生み出し、皮膚のバリア機能を高める役割を果たす線維芽細胞組織の再生・生成を促すことが確認されている。
また、出血や浮腫、掻傷、カサカサ肌などのアトピー性皮膚炎の症状が大幅に減少したことも確認されており、nanoECF乳酸菌が肌に直接触れることで皮膚のバリア機能を強化し、炎症を鎮める効果が期待されている。
「肌悩みについて当社でアンケート調査を実施したところ、肌の乾燥や肌荒れ、痒みを伴うアレルギー、肌の老化について悩む人が多かった。こうした乾燥や肌荒れ、肌の痒み、肌老化の原因は、いずれも『肌バリア機能の低下』によるものだ。そこで今回、当社では肌バリア機能を高めて肌健康を守る有効成分を生み出し、線維芽細胞の活性化を促進する美肌乳酸菌のnanoECFを用いた製品を開発するに至った」(権社長)
肌バリア機能を高めるnanoECF乳酸菌の美肌効果としてはこのほか、善玉菌を活性化してカンジダ菌がカンジダ症を引き起こす病原菌に切り替わることを予防するという。
カンジダ菌は健康な人の身体にも普通に存在している常在菌で、通常は身体に害を与えることはないが、体調不良やストレスなどによって免疫力が下がると病原性の高い状態(菌糸化)に変化し、しつこい痒みや発熱などを引き起こす。
「実際にカンジダ菌を植え付けて水で何回か洗い流したマウスの膣と、水で洗い流さずにnanoECF乳酸菌を塗布したマウスの膣を比較すると、水で洗い流した方は菌糸化してカンジダ症を引き起こしていたが、nanoECF乳酸菌を塗布した方では菌糸化が確認されず、カンジダ症の予防効果が認められた。このnanoECF乳酸菌を1兆個以上配合したクリームを体に塗布すると、カンジダ菌をカンジダ症につなげることを食い止めるほか、アトピー炎症や痒み、肌の乾燥に対する効果が期待できることから、当社では今回新たに『美肌乳酸菌1兆 フェースクリーム』を開発した」(権社長)
美肌乳酸菌1兆 フェースクリームは、肌保湿成分のヒアルロン酸に加えて美肌乳酸菌のnanoECFを1兆個配合。肌の健康をコントロールする常在菌の菌バランスを保つことで肌のバリア機能を高め、肌の痒みや肌荒れなど乾燥による各種肌トラブルをケアするという。
また、乳酸菌の抗酸化作用により、シミやそばかすの生成を抑制し、肌の新陳代謝を高めて肌質を高める。
「カンジダ菌は男女問わず、赤ちゃんの口内や男性の手足の指にもある常在菌だ。肌本来の持つ自己治癒力を高めるとされる乳酸菌を1兆個配合したクリームを通じて、小さい子どもから大人まで肌健康を守っていきたい。当社ではnanoECF以外にも、22種類の乳酸菌を配合した『BJ-22』などの原料も取り扱っており、今後も乳酸菌から皮膚の健康へとつながる新たな提案を行っていく」(権社長)