カンタンに言うと
化粧品原料商社のマツモト交商では、医薬部外品・化粧品原料の販売や受託試験サービスのほか、オリジナル原料開発や処方組みの提案、メーカー向けのワークショップなどを行っている。研究開発部 次長の寺本健太郎氏に話を伺った。
――これまで関わってきた研究開発について教えてください。
寺本 入社後2年間はスキンケア素材に携わり、その後ヘアケア素材の研究開発にも取り組んでいる。
2019年には、IFSCCにてヘアケアでのナノエマルションの効果についてポスター発表を行った。また、2018年以降は管理職として組織づくりに注力している。
特に、研究開発部主導のアイディア提案会を年に1回開催し、イノベーションが生まれやすい体制を目指している。
――現在力を入れている原料についてお聞かせください。
寺本 当社で10年以上販売している「NanoCap」は、リポソームの調製技術と安定化技術を集結した化粧品原料で、2023年10月にはより簡便に内包成分を選定することで開発期間を短縮し、独自性を図る「NanoCap Selection」を上市した。保湿試験データを提供するなど、効果訴求を強みとしている。
今までにない感触を有する複合粉体「GeoFuse-moist」は、世界的に認められた評価システムを用いて開発した。
顧客が重視する評価項目を分析し、粉体形状、表面処理、複合化の3つの要素でコントロールすることで新たな感触を生み出した。
また、奈良女子大学と共同で「アミノ酸―糖ハイブリッド界面活性剤」の開発を進めている。従来の界面活性剤に比べて乳化安定性や泡沫安定性などに優れている点、少ない量で効果を発揮する点、環境負荷の低減にも寄与する点から、化粧品を含む各種工業分野での使用が期待されている。
――イノベーションが生まれやすい体制づくりとして意識していることは。
寺本 研究開発は1人の発想だけでは限界があるため、研究員全員でディスカッションを重ねている。また、営業部もディスカッションに加わることで、顧客の要望や市場のニーズを反映させることも重視している。
さらに、当社では研究員が積極的に海外に足を運び、グローバルな視点で情報を得ている。こうした活動が、競争力を支えていると感じている。
この記事は週刊粧業 2025年1月27日号 4ページ 掲載
■特集/原料研究者インタビュー~逆転の発想で独自性を追求◎ホルス~羊膜エキスの提案を強化、高いエイジングケア効果に期待◎マツモト交商~イノベーションが生まれやすい体制構築へ、アイディア提案会や海外情報収集を推進◎ホシケミカルズ~独自基準を設けて安全面にこだわったODM/OEM製品の処方開発を推進◎一丸ファルコス~創薬的アプローチで原料価値を向上、共創ラボの新設で研究領域を広げる■花王、「ビオ...
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