一丸ファルコスは、肌の透明感に影響している「肌濁り」に着目した機能性原料「ジュニパーブライト〈セイヨウネズエキス〉」の提案を強化する。直近のジュニパーブライトの研究成果として、ジュニパーブライトの活性成分の特定に成功し、活性成分「アントリシン」のプロテアソーム活性化メカニズムを分子レベルで解明することに成功した。世界初の研究成果として、日本薬学会での発表も予定している。
透明感のある肌は、入射光がよく戻ってくる肌(内部反射光の量が多い肌)で、表皮層が明るい肌とされている。しかし、加齢により表皮層が暗くなり、肌が暗くくすんでみえてしまう。明るさが不均一な肌は、シミのように見えることもある。同社は、肌が暗くくすんで見えたり、シミのように見えたりしまう原因物質として、表皮細胞内の濁りである「リポフスチン」に着目し、研究を進めた。
肌の濁りにつながる老化色素・リポフスチンは、細胞内の酸化/変性タンパク質と過酸化脂質などが凝集することで形成・蓄積される老化色素で、表皮細胞に蓄積すると表皮の光の透過を遮り、肌の濁りにつながる。
リポフスチン形成の原因となる酸化/変性タンパク質は、細胞内でタンパク質を管理する細胞内浄化システム「プロテアソーム」により分解・浄化される。プロテアソームを活性化することは、リポフスチンの形成・蓄積を抑制し、肌の濁りを防ぐ効果が期待できる。また、形成されてしまったリポフスチンは、「オートファジー」により分解・除去される性質を持ち、リポフスチンの蓄積を防ぐことができる。
つまり、リポフスチンの蓄積を予防するには、リポフスチンの形成を防ぐか、できてしまったリポフスチンを除去するかの2つの方法があり、リポフスチンの形成予防にはプロテアソームの活性を、形成されたリポフスチンの分解除去はオートファジーの活性を上げればよいとされている。
ただし、プロテアソームとオートファジーの活性はどちらも、加齢やUVにともない活性が低下することが知られている。
そこで同社は、プロテアソームとオートファジーの両方を活性化する成分の探索を進め、約380種類の天然由来原料の中から、セイヨウネズ果実(ジュニパーベリー)から抽出したジュニパーベリーエキス(セイヨウネズエキス)を見出し、細胞内の濁りを減らし、清浄化することを発見した。「ジュニパーブライト」は、リポフスチンの蓄積を抑制し、メラニン色素の量をコントロールするだけではできない、肌の濁りの改善が期待できる。
1%ジュニパーブライトを添加したヒト成人由来表皮細胞を用いて、細胞のプロテアソーム活性を確認したところ、ジュニパーブライト添加して2時間後、プロテアソームは添加前に比べて180%活性化し、その後も濃度依存的にプロテアソーム活性が見られた。また、オートファジー活性は、添加して8時間後に115%活性し、その後も濃度依存的にオートファジーの活性が認められた(図1)。
表皮細胞のリポフスチン量を測定した試験では、0.5%ジュニパーブライトの添加により、リポフスチン量が60%減少し、リポフスチンの蓄積を抑制する効果が確認された。
ジュニパーブライトの活性成分「アントリシン」のプロテアソーム活性化作用試験では、添加後30分でプロテアソームが活性化しはじめ、類似の活性成分(ヤテイン)に比べ、強い活性を示すことを確認した(図2)。アントリシンとヤテインは構造にわずかな違いがあり、アントリシンは構造がしっかり固定されているため、プロテアソームの活性を強く早く促進すると考えられる。
また、新たな研究成果として、「将来たるみ」に着目した機能性原料「ヒアルガード〈カワラヨモギエキス〉」から、真皮ヒアルロン酸の分解・低分子化を防いで、たるみ・シワ発生を予防・改善する活性成分として「カワラヨモギン」を発見した(図3)。これまで、ヒアルガード添加により加齢によるたるみ・シワを予防することは確認されていたが、カワラヨモギエキスに含まれる有効成分の特定により、将来たるみを予防する機能性原料としての価値向上を図っていく。
ヒアルガードは、2月に中国・広州で開催された展示会PCHi2025のFountain Award保湿部門にて金賞を受賞したことを受け、国内外への販促に弾みをつける。
この記事はC&T 2025年3月17日号 42ページ 掲載
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