マツモト交商、環境影響が問題視されている海藻をアップサイクルし海洋保全にも貢献

週刊粧業 2025年3月31日号 4ページ

マツモト交商、環境影響が問題視されている海藻をアップサイクルし海洋保全にも貢献

 マツモト交商が取り扱うサルガッサムと呼ばれる海藻をアップサイクルした多機能O/W乳化剤「SEA BALANCE(CARBONWAVE社)」は、アップサイクルすることで海洋保全に貢献するとともに、化粧品市場での活用の幅を広げている。

 サルガッサムは海洋と大気から二酸化炭素を吸収する浮遊海藻だが、近年、大量発生が問題視されている。2000万トン以上の大量発生により、海洋生物の移動や呼吸を妨げるだけでなく、海岸に打ち上げられることで腐敗しメタンガスを排出するなど生態系に深刻な影響を及ぼしている。

 サルガッサムに含まれる繊維物質セルロースは、界面活性剤の代わりに微細な固体粒子を利用し、水と油を乳化するピッカリング乳化剤として機能する。従来の乳化の場合には界面活性剤によりべたつきが残ることがあるが、ピッカリング乳化では感触への影響を抑えることができる。

 さらに、製造工程においても、迅速かつ簡易なコールドプロセスや電解質に対する耐性など、様々な特長を有している。今年2月には表示名称として「サルガスム(フルイタンス/ナタンス)エキス」を取得し、さらなる市場展開が期待される。

 「Omegablue(Givaudan社)」は、ビルベリーの種子(非可食部分)をアップサイクルして得られる有効成分で、リノール酸やリノレン酸などの多価不飽和脂肪酸(PUFA)が豊富に含まれている。

 これらは肌に塗布することで保湿効果や肌のバリア機能を向上させる。スキンケア製品だけでなくヘアケア製品にも応用が可能だ。

 毛髪は、気孔率や浸透性が高すぎるとダメージを受けやすくなるが、「Omegablue」は毛髪の過剰な浸透を抑え、毛髪繊維を保護することが確認されている。非可食部分を有効活用した環境配慮型の原料として、日本国内での引き合いが増えている。

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