DRC、ビッグデータ分析で刺激スコアを可視化、安全性試験の価値向上へ

週刊粧業 2025年4月7日号 23ページ

DRC、ビッグデータ分析で刺激スコアを可視化、安全性試験の価値向上へ

 化粧品の安全性・有効性評価試験を行うDRCは、最近10年間分の安全性試験(パッチテスト・スティンギングテスト)データを分析・可視化させ、試験報告書の価値向上を図っていく。

 剤型などカテゴライズした皮膚刺激スコアの分布表を作成して試験品の報告書として提出する。試験依頼者は、試験品が位置づけられた分布表を見ることで、カテゴリー平均に比べて刺激が強いか弱いかを判断することができる。2025年夏より、試験品のスコアをよりわかりやすい形で報告書を提供していくという。

 データサイエンティストの村松大輔氏は「単に刺激スコアを提出するだけでなく、試験品のスコアが平均と比べてどうなのかを報告することで、品質・安全性の高い製品づくりをサポートしていきたい」と話している。

 化粧品業界への参入企業の増加にともない、安全性試験を実施する企業は増えているという。安全性試験は業界自主基準で、ガイドラインに沿った試験方法となり、差別化が難しく、一部で価格競争も起きている。

 例えば、パッチテストの場合、皮膚科医が診断・スコア化した皮膚刺激指数に基づき、試験品を「安全品/許容品/要改良品/危険品」の4つに分類した報告書が提供され、依頼者はスコアをもとに刺激度合いを判断している。しかし、試験品の刺激スコアが「許容品と要改良品の境界線付近」などは判断が難しい。また、皮膚刺激スコアは剤型や品目などによって差が生じる。

 そこで同社は、蓄積している検体データの分析を進め、「水系剤型」「クリーム」「洗浄剤」などカテゴライズし、試験品の刺激スコアと比較できる指標の作成に取り組んだ。

 スティンギングテストでは、データ分析をもとに、カテゴリー別にスコア分布表を完成させた。従来のスコア表に加え、カテゴリー別の分布表に試験品の刺激スコアを表記した報告書を提供する。

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