アンズコーポレーションのODM事業部は、スキンケア分野における高機能処方と敏感肌処方で独自技術の価値向上を図っている。新たに独自の3D皮膚モデルを用いた実効性(機能性)評価試験を行える体制を確立したことで、企画コンセプトから原料選択、処方開発、価値訴求まで一貫性を担保した製品づくりを推進する。
山田昌良社長は「SNSなどで情報やトレンドを追いかけ続けることに生活者は疲れはじめ、本質へ回帰する動きが見られ始めている」との見解を示し、化粧やスキンケアの本質追求で、エビデンスに基づく製品開発が普及・活性化していく中で、高機能処方の需要拡大を見込んでいる。
敏感肌処方については「日本で肌へのやさしさは必須条件になっている」と述べ、やさしさと機能性を両立したスキンケア開発で付加価値化を推進していく考えだ。また、敏感肌処方については「アジア圏でもニーズが高まってきている」として海外市場を開拓する製品づくりもサポートしていく。
特に、オイル系の処方を自社のコア技術に位置づけて開発・提案を強化していく考えだ。山田社長は「10年ほど前からオイル系の技術力向上を掲げて取り組んでいる」と話すように、特殊な溶融充填技術を用いたリップバームやクレンジングバームなどで成果物が増えてきている。また、溶融充填技術と乳化技術の組み合わせや高質な高分子架橋化技術を用いて心地よい使用感を実現している。
山田社長は「コア技術を活かし、エビデンスに基づいた、機能性中心の新たな市場づくりを目指していく」と述べ、新市場創造に向けて、3D皮膚モデルを用いた評価試験の活用・応用を進める。併行して「3D皮膚モデルの理解を広げながら、学会発表や大学との連携で技術の認知拡大を図る」考えを示した。
独自の3D皮膚モデルを用いた機能性評価試験では、原料、処方の機能性について、プロセスも含めて定量的に相対評価をすることが可能だ。処方開発では、安全性を担保した上でキー成分の高濃度配合を実現するほか、従来品やベンチマーク品との機能性を比較しながら改良や品質向上を図ることができる。
また、競合分析や処方評価が可視化されることにより、商品化の意思決定速度が上がる。機能性の見当をつけられるため、ヒトモニター試験のコストを抑えることもできるという。
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この記事は週刊粧業 2025年4月7日号 23ページ 掲載
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