国内唯一のグリセリン専業メーカーで年間4万トンの生産能力を有し、国内シェア№1の生産力と安定供給を誇る阪本薬品工業は、1953年にグリセリンの製造を開始した。ヤシ・パームなどの植物油脂を原料とし、これまで70年以上にわたり培ってきた独自の精製技術をベースに、高品質で環境や人にやさしい植物由来グリセリンの生産・研究に強みを持つ。
2021年1月に大阪府和泉市の研究所内に開設した「アプリケーションラボ」では、グリセリン及びグリセリン誘導体を用いて既存の原料から新たな価値を創出する処方開発に加え、研究開発で得られた最先端の皮膚科学の知見に基づいた情報発信も行っている。
グリセリンは、高い安全性と保湿効果を示す保湿剤として化粧品や外用剤に配合されているが、グリセリンの角層への作用機構は十分に解明されていない。そこで同社は、グリセリンの皮膚角層に対するメカニズムを解明すべく、名古屋産業科学研究所と共同研究を行い、保湿効果の高い化粧品やより効果を示す保湿剤の開発・提供を目指している。
これまでの共同研究の成果として、世界最高性能の大型放射光施設「SPring-8」を用いた皮膚角層のX線構造解析により、グリセリンが角層中の角層細胞に入り水分を蓄え、かつグリセリン、ジグリセリンのいずれもが細胞間脂質の炭化水素鎖の直方晶充填構造にも作用して水分量を制御することで、保湿能を高めていることを明らかにした。
「現在はグリセリンだけでなく、ジグリセリンやポリグリセリンの角層への作用メカニズムについても研究に取り組んでいる。グリセリンに関してここまで基礎研究を行っている企業は、恐らく専業メーカーである我々だけと自負している。化粧品設計においてグリセリンに加え、グリセリンの誘導体で乳化や可溶化など幅広い機能を持つ『ポリグリセリン脂肪酸エステル』を組み合わせ、優れた使用感と機能を両立する感触調整のデータも持っており、こうした点は当社が最も強みとする技術といえる」(同社)
この記事は週刊粧業 2025年4月7日号 23ページ 掲載
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