コーセー・小林一俊社長、「改革と変革という視点で、将来を見据えて様々な提案を」(2025年入社式)

週刊粧業 2025年4月7日号 12ページ

コーセー・小林一俊社長、「改革と変革という視点で、将来を見据えて様々な提案を」(2025年入社式)

 今年はコーセーグループ4社合同で入社式を開催した。本日こうして皆さんを迎えられたことを嬉しく思う。皆さんもご存知の通り、昨年11月には新しい中長期ビジョンを発表し、おおよそ10年後を見据えたコーセーグループのありたい姿と、2030年をマイルストーンとする中期戦略と定量目標を策定した。

 来年当社は、創業80周年を迎える年となる。当社にとって重要な時期に入社したと皆さんには捉えてもらいたい。今コーセーが大切にしていること、新入社員の皆さんに期待することをお伝えする。

 中長期ビジョンを実現するための大切な考え方を、「信念(Belief)」として宣言し、活動方針と価値観を言語化した。活動方針に、「美を通じて世界に寄り添い、一人ひとりの生涯を彩る」ことを掲げ、「3G」「アダプタビリティ」「サステナビリティ&コネクティビティ」の3つの視点でまとめている。

 まずは、「3G」。これは、これからのお客さまづくりのポイントである「グローバル(Global)・ジェンダー(Gender)・ジェネレーション(Generation)」の頭文字をとったキーワードだ。

 一つ目のグローバルという点では、我々は、世界中の人々に当社の商品やサービスを届けていかなくてはならない。ジェンダーにおいては、「メンズ化粧品」を展開するということではなく、男女の性差に関わらず、当社の商品価値を知ってもらい、ケアや美容、化粧を楽しんでもらうことが重要だ。また、ジェネレーションにおいては、メイク習慣の若年化という変化もあるが、一方で、当社の様々な研究から近年明らかになってきた幼少期からスキンケアを行う有用性といった要素もおさえ、新たなお客さまづくりを推進していく。

 次に、「アダプタビリティ」の考え方。当社は、幅広いブランドポートフォリオを保有し、お客さまのあらゆるニーズにお応えすることができる、多様で、きめ細かなカテゴリーの商品を開発・販売している。当社は、どんなお客さまからも選ばれる存在になるために、保有するブランドポートフォリオをより魅力的なものにしていく必要がある。

 さらに、「サステナビリティ&コネクティビティ」だが、コーセーはお客さまと直接、接点を持っているという強みがある。だからこそ、我々は、お客さまの一生に、そして、その時々の悩みや不安にしっかりと向き合い、いつまでも生活に寄り添い続けることを大切にしていきたい。

 最後に、「KOSÉ Beauty Partnership」。これは、当社と取り巻くステークホルダーの皆さまと、互いに高め合う関係を構築する、という考え方だ。当社は、創業時から「共存共栄」という考え方を持ち、お客さまはもちろん、販売店やサプライヤーなどの取引先とも重要なパートナーとして長年にわたり一緒に活動してきた。その考えが発展し、今では社員はもちろん環境、行政、時には同業他社などと一緒に手を組むこともある。これからも当社に関わるあらゆるステークホルダーを重要なパートナーとして位置付け、企業活動を推進していく。

 まずは、私が社長就任以来掲げている「良い商品を、良いお店で、きちんと売る」という活動理念を紹介したい。「良い商品」を開発するだけでなく、「良いお店」を通じて、正しいカウンセリングや使い方の指導ができること、お客さまが商品を選びやすくなっていること、など「きちんと売る」ところまで意識した活動が重要だ。皆さんも「お客さまのために」という気持ちを持った活動を心掛けてほしい。

 次に、「チャレンジすることの大切さ」を伝えたい。当社にはこれまでも多くのピンチが訪れてきたが、その時々で、先を見据えた打ち手を講じ、ピンチをその後の飛躍のチャンスとしてきた。そして、ここ数年、当社を取り巻く環境は厳しい状況にあり、まさしく、今、当社は大きく変わろうとしている。皆さんには、このピンチをチャンスに変えるため、貪欲かつ泥臭く、たくましさをもって、失敗を恐れずに、多くのことにチャレンジしてほしい。

 3つ目に伝えたいことは、「改革」と「変革」という視点で、将来を見据えて様々な提案をしてほしいということ。「改革」においては、まずは今のやり方をしっかりと学ぶことが必要不可欠だ。同時に、皆さんの柔軟な発想をもって、これまでのやり方そのものを見直してほしい。そして、将来を見据え、そこから「今、何をすべきか」を逆算して考えるバックキャストという考え方で、「変革」に取り組んでほしい。

 皆さん自身にはそれぞれ強みがある。その多様な個性を活かし、今日からコーセーの一員として、我々と一緒に新たな未来を切り開いていくことを期待している。

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