カンタンに言うと
シー・アクト(本社=東京・千代田区、研究所=神奈川・川崎市)は、サステナブルな機能性油脂「PENTADECYL(ペンタデシル)」に、毛穴の目立ちを改善する効果を新たに見出した。ペンタデシルの研究では、これまでに10ppm(製剤中0.001%)の微量添加により、様々な美容効果を見出している。多機能かつ高機能なエイジングケア成分の新機能として「シワ改善と毛穴改善」評価データの紹介を開始していく。
研究ではこのほか、身体の正常な生理機能を低下させてしまう「小胞体ストレス」に着目し、小胞体ストレスを緩和して正常な肌細胞の状態にするはたらきを1~5ppm見出している。
化粧品分野の研究では、体内で小胞体ストレスが生じると、肌のコラーゲン産生が抑制されるなど肌への様々な影響を及ぼすが、ペンタデシル(製剤中0.001%)の微量添加により、小胞体ストレスを軽減し、コラーゲンの産生促進、保湿・バリア機能の向上・改善などが確認された。ヒトモニター評価試験では「乾燥による小じわを目立たなくする」シワ改善効果なども認められている。
同社は、石垣島沿海水深25m付近で採取された微細藻類・オーランチオキトリウムが創り出す脂質から機能性活性成分(ペンタデシル)を抽出・精製した。その油脂を「ペンタデシル」と名付け、美容効果や健康増進効果を見出すことに成功した。「ペンタデシル」は、奇数脂肪酸のペンタデカン酸(C15)を高含有する飽和脂肪酸のみで構成されるトリグリセライドで、22年春にINCI名(Aurantiochytrium Limacinum Oil Extract/C14-17 Triglycerides)と成分表示名称(オーランチオキトリウムリマシヌム油エキス/トリ脂肪酸(C14-17)グリセリズ)を取得した。
ヒト真皮線維芽細胞による試験では、5μg/m以下のペンタデシルの添加で小胞体ストレスを緩和することが確認された。小胞体ストレスを緩和することで、濃度依存的にコラーゲンの産生が向上することが認められた。小胞体ストレスが緩和されることにより、コラーゲン産生が促され、肌の保湿やバリア機能の向上につながると考えられる。
ヒトモニター評価試験では、0.001%ペンタデシル配合化粧水と無配合液(コントロール)をそれぞれ1日朝夕2回、4週間連続で塗布し、単回塗布、連用塗布による肌への効果を調べた。
毛穴改善に関する試験では、毛穴の面積、深さ、たるみ率などを測定した。0.001%ペンタデシル配合化粧水は、コントロールに比べ、塗布1回で毛穴のたるみ率が減少し、毛穴の面積の縮小や深さの軽減も見られた。また、連用塗布4週間後の肌は、単回塗布した肌に比べ、毛穴の面積、深さ、たるみ率などの改善スコアが有意に上昇した。
ペンタデシルは、わずか0.001%を1回塗るだけで効果実感が得られ、また、継続使用により十分な効果をもたらすことが期待できる。ペンタデシルに確認された毛穴改善効果のメカニズムについて、同社は「真皮中のコラーゲン産生を促すことで、保湿力が高まり、毛穴の目立ちを改善することができる。継続してスキンケアを行うことで、バリア機能が高まり、毛穴が目立ちにくい肌を維持できると考えられる」と説明した。
同じ試験方法にて実施した「シワ改善評価試験(化粧品機能評価法ガイドライン)」では、目視およびレプリカ評価にて、シワグレードとシワの深さを有意に改善する効果が認められた。ペンタデシル0.001%の極微量添加により、「乾燥による小じわを目立たなくする」を標ぼうすることができる。
以上から、ペンタデシルは、製剤に0.001%添加するだけで美容効果や感触改善をもたらす。そのため、製剤への影響を与えにくく、「既存品の改良やバージョンアップに適した美容成分として認識が広がっている」(同社)という。
「発売当初は、1ppmで効果実感や感触を変えられる『ペンタデシル』の特徴に懐疑的だった方も、実際に試されて『ペンタデシル』の特性に理解を示してくださるようになり、採用案件も増えている。スキンケア製剤に『とりあえず配合しておきたい成分』として、ポジションを確立していきたい」(同社)
食品分野でもペンタデシルへの注目が高まっている。「食べるペンタデシル」として開発した食品原料「ペンタデシル含有オーラン油」が健康食品・サプリメントで採用実績を伸ばしている。
ペンタデシルを抽出するオーランチオキトリウムには、青魚に含まれるDHAやEPAを産生するはたらきがあり、ペンタデシルを高含有する「ペンタデシル含有オーラン油」は、現代病・生活習慣病などの予防に期待されている。肌への機能性では、ペンタデシル含有オーラン油の経口摂取により、真皮コラーゲンの産生を促進させる効果が確認されており、継続して摂取することで、シワの予防・改善、ハリ・弾力の維持・改善などが期待できる。
この記事はC&T 2025年6月16日号 40ページ 掲載
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