花王、セラミド指標の変化が敏感肌特有の刺激感受性の高さに関係

花王、セラミド指標の変化が敏感肌特有の刺激感受性の高さに関係

 花王は、帝京科学大学生命環境学部生命科学科 中沢寛光准教授との共同研究により、敏感肌における特徴的なセラミドプロファイルの変化が、角層細胞間脂質構造の乱れや敏感肌特有の刺激感受性の高さに関係する可能性を明らかにした。この成果は、香粧品皮膚科学に関する世界的学術誌「Journal of Cosmetic Dermatology」に掲載された。

 敏感肌は、通常では何ともない刺激に対しても、痛みやかゆみなどの不快な感覚が生じる刺激感受性が高い状態の肌で、その要因の1つに皮膚バリア機能の低下が挙げられる。

 花王は、皮膚疾患がないにもかかわらず刺激感受性が高い敏感肌について、研究を進めてきた。2023年には、このような肌では特定の種類のセラミド量が少なくなっており、そのプロファイルがアトピー性皮膚炎と類似していることを見出してきた。

 今回は新たに、敏感肌では角層細胞間脂質のパッキング構造にも変化が生じており、敏感でない肌と比べて、脂質の密度が低くなっていることを明らかにした。

 皮膚疾患のない敏感肌において、特定の種類のセラミド量が低下したり、セラミドNSに対するセラミドNPの存在比率が低いことが、パッキング構造の乱れに影響を与える可能性を示した。これらの結果として、皮膚バリア機能が弱まり、刺激感受性が高くなることがあると考えられる。

 これらの結果は、皮膚バリア機能が低下傾向の敏感肌に対して、有用なスキンケア製品を開発するうえで基盤となる重要な知見であり、今後もこうした知見を踏まえ、敏感肌の本質的な理解をより一層深めていく。

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