日本コルマー、連続増収で中期売上目標300億円を射程に

週刊粧業 2016年2月29日号 8ページ

カンタンに言うと

日本コルマー、連続増収で中期売上目標300億円を射程に
 化粧品・医薬部外品OEM/ODMの国内最大手である日本コルマーは、2016年3月期の売上高を前年比約11%増の269億円に上方修正し、12期連続増収をほぼ手中に収めた。

 連結では295億円(見込み)で、中期目標に掲げた売上高300億円の達成も目前まできている。

 神崎友次会長に話を伺った。

 ――今期を振り返っていかがですか。

 神崎 2015年1~12月の化粧品出荷金額は1兆5000億円を超え、最盛期頃の金額に戻りつつある。化粧品が中国人の「爆買い」の対象であることからも、訪日外国人によるインバウンド需要の影響が大きかった。

 しかしながら、既に中国政府は内需拡大に向け、国外での消費活動に制限をかける政策を打ち出し始めている。今後もインバウンド需要拡大を安易に期待するようでは、長期的な成長は見込めない。

 大手を中心としたブランドメーカーと同様、私たちOEM/ODM業界も海外の成長マーケットをビジネスの場にしていく必要がある。

 当社は、中国・蘇州コルマーに続く海外の開発・生産拠点として数年前から調査を進め、いよいよASEANへ進出する。来期中には詳細な情報を開示できるだろう。

 ――国内での成長戦略についてお聞かせください。

 神崎 近年は、2500億円前後の市場規模と言われるOEM業界のトップ企業として、売上シェア15%を目指して人材・設備投資などに取り組んできた。

 売上高300億円という数字はあくまで通過点だが、達成に至れば、連結売上高500億円という新たな目標も見えてくる。

 今度は長期での達成目標となるが、次の若い世代のためにも、その成長戦略をできる限り見えるようにしておきたい。

 ――その長期的な成長戦略の道筋は。

 神崎 近いところでは、国内では5番目となる生産工場の新設も考えており、現在調査を進めている。

 また、異業種からの参入やブランドメーカーのアウトソーシング化が進み、追い風が吹いているOEM/ODM業界だが、後継者問題を抱えている同業者は少なくない。そうした同業者とのM&Aも選択肢の一つであると考えている。

 そして、総人口が減少する以上、経営戦略的には事業の多角化を推進していかねばならないとも感じている。健康食品や医薬品など化粧品に近しいOEM業界への参入も視野に入れておきたい。
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