ラパスジャパン、化粧品分野でマイクロニードルを1つのカテゴリーに

週刊粧業 2023年10月16日号 52ページ

ラパスジャパン、化粧品分野でマイクロニードルを1つのカテゴリーに
 ラパスジャパンは、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の一種で、医薬品・医療機器で活用されている「溶解性マイクロニードル」を用いて、肌が必要とする美容成分をダイレクトに届ける浸透力と安定性に優れたマイクロニードルパッチ化粧品の製造・販売事業を展開している。

 同社では、様々な種類があるマイクロニードルの中でも、美容成分そのものを針のようなニードル状に成型し、皮膚表面に塗るだけの一般的な化粧品では吸収しにくい美容成分を物理的に皮膚の内側へと浸透させる「溶解性マイクロニードル」を事業の柱としている。

 「化粧品分野でマイクロニードルを1つのカテゴリーとして確立するためには、一般化粧品と比較して優れた有効性を立証する様々なデータの積み重ねが重要で、研究開発でも特に注力している。角層の深いところに肌が足りていない栄養素を定期的に補い続けることができるという点で、マイクロニードルは化粧品の中で最も長けている。様々な栄養素が減少することで起こる皮膚の老化に対し、再生力を高めるマイクロニードルの役割や定義をしっかりとエビデンスを持って明示し、マイクロニードルコスメの領域で我々が業界のリーダーシップを取っていきたい」(米元忠信取締役)

 技術開発では、光や熱に弱く酸化しやすい美容成分を安定化して配合できる独自の製造技術(DEN製法)を含むマイクロニードルの関連特許を、日本だけでなく韓国やアメリカ、EU、中国などで計36件取得している。

 DEN(Droplet Extension)製法は金型が不要で、美容成分を直接パッチ素材の上に滴下し、常温・送風での乾燥でマイクロニードルを成形する。

 溶解性マイクロニードルにおいて世界で初めて製造から箱詰めまでを自動化した生産システムを実現し、配合容量や貼る部位に合わせてニードルの長さも自由にコントロールでき、多種多様な形状・大きさの化粧パッチにも対応できるという。

 「研究開発は今後、誤差を限りなくゼロにする適正な製造により正確性を担保していくほか、効果が期待できる最適な成分配合量を突き詰めていく。設備投資に関しては既存の静岡工場が手狭となっており、将来的に新たな工場の建設も視野に入れている」(米元氏)
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