粧業日報 2024年6月21日号 1ページ
カンタンに言うと
化粧品OEM国内最大手のTOA(トーア、旧社名日本コルマー)を傘下に持つ日本コルマーホールディングスは、カーライル・グループが運用・管理するファンドから、化粧品OEM/ODM国内大手のトキワ・コスメティクス・グループ(本店=岐阜県中津川、以下、トキワ)の全株式を譲受することで5月31日に合意したと発表した。
日本コルマーHDの中核会社であるTOA(旧:日本コルマー、本社=大阪)は、化粧品OEM/ODMの国内最大手で、国内7工場・5研究所体制を構築しており、スキンケアからメークアップ、ヘアケアなどあらゆる化粧品の開発・生産を行っている。2024年3月期売上高は635億8000万円(前期比14.1%増)で20期連続の増収を達成している。
一方、トキワ(本社=東京)は、岐阜県中津川市に本店を構え、メークアップを主とした化粧品OEM/ODM会社で、国内5工場・1研究所体制を構築している。国内外で400以上の特許を取得し、高い研究開発・生産技術力を持つ。2023年12月期売上高は299億円。
開発製造品目では、スキンケア、ヘアケアに優位性があるTOAに対し、トキワはアイメークを中心にグローバルメークアップ市場で重要な地位を占めており、開発製造品目の強みで補完しあう関係になる。また、両社とも中国など海外にグループ子会社を持ち、グローバル企業との取引実績も豊富で、開発・生産から営業面まで幅広い分野でシナジー効果が期待できる。
日本コルマーHDは、今回の合意について、「両者にとって極めて補完性が高いものであり、日本国内だけではなくグローバル市場において競争力のある生産体制の整備を促進し、世界の化粧品受託市場のリーディングカンパニーとして、全てのお取引先様の期待にお応えするために、中長期的な視野に立った事業運営を推進することを目的」とし、「トキワの社員・マネジメントとも一丸となり、力を合わせ、世界にチャレンジする日系企業グループとして、次の100年に向けて持続可能な未来を一緒に描いていきたいと考えている」としている。
なお、取得金額等の詳細については非公表。パートナーシップ実現後もトキワの社名は継続し、業務運営もトキワの現経営陣が引き続き行う。
この記事は粧業日報 2024年6月21日号 1ページ 掲載
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