化粧品OEM/ODM国内最大手の日本コルマーは、新たな成長ステージに向けて6月1日付で社名を「TOA(トーア)株式会社」に変更する。また、本社も同日に移転する。
新本社(写真)に整備されたITインフラを活用して生産性向上や業務効率化を推進していく計画だ。
新谷浩孝執行役員・管理本部担当に話を聞いた。
――経営戦略で新たなシステム基盤の構築に取り組まれています。進捗状況は。
新谷 ここ数年は生産系、業務系の双方で新たな管理システムの導入に向けて取り組んでいる。
どちらの基幹システムも導入から数十年経っていた。これまでも必要に応じて更新しながら対応してきたが、その間、化粧品業界は成長拡大し、当社も業績を大きく伸ばしてきている。従来のやり方ではいずれ対応できなくなっていく。
さらなる成長力強化に向けて、システムごと変更して新しい時代に対応していく必要があった。
導入後のスムーズな業務遂行を重視し、各部署で業務フローの見直し・改善を進めてもらいながら、システムの構築を進めている。
昨年5月に新たな生産管理システムを導入した。生産部門は、工場の多拠点化を進め、国内7工場体制を確立してきた。業務はほぼ標準化されているが、細かくみていくと、各拠点が工夫を凝らしてカスタマイズしているものもあった。
全拠点で共通の業務プロセスを構築して効率化・最適化を進め、生産力の底上げを図っていく。
――業務管理システムの方はいかがですか。
新谷 新たに書類管理システムなどを導入して電子化を進めている。今年1月に義務化された電子帳簿保存法への対応もあり、優先的に行った。ペーパーレス化も推進する。
導入した文書管理システムは、契約書類など様々な文書管理に対応できる。取引先や仕入先が多いので、様々な書類管理を一元化させて共有化し、業務の効率化や負担軽減につなげていく。情報の共有化により部署連携が高まることを期待しているが、OEM/ODM事業は守秘義務や秘密保持と隣り合わせのため、書類に重要度をつけアクセス権限を設定するなど管理も徹底する。
また、6月に移転する新本社は、現本社よりITインフラが整備されている。移転を機に新たな管理システムの導入を進めていきたい。スペースも現本社より60坪ほど広くなる。部署毎にまとまったグループアドレスや個室型のワークブースなどを取り入れ、業務に集中できる環境や生産性の高い仕事ができる環境を整えていく。
この記事は週刊粧業 2024年4月8日号 19ページ 掲載
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