サンスター、口まわりのシワグレード標準を作成

　サンスターは、東京女子医科大学川島眞名誉教授監修のもと、口まわりのシワを評価するためのグレード標準（口まわりのシワグレード標準）を作成し、その内容を第24回抗加齢医学会総会（2024年5月31日～6月2日）にて発表した。

　同社が40～70代女性を対象に実施した「気になるシワに関するアンケート調査」では、全年代で口もとのシワが1位だった。このように口もとのシワは改善ニーズが高いものの、それに特化した調査報告は少なく、シワ評価のための明確な基準も存在しなかった。

　そこで今回、たるみにより生じるほうれい線やマリオネットラインとは異なるほうれい線外側、上口唇、マリオネットライン周囲の3つのシワを「口まわりのシワ」と定義し、口まわりのシワが見た目年齢に与える影響を調査、口まわりのシワ評価の第一歩としてシワグレード標準を作成した。

　40～70代の女性2000名を対象に意識調査を実施し、シワの部位による見た目年齢への影響度を確認した。その結果、「額・眉間」「目まわり」「口まわり」のシワのうち、「口まわりのシワ」があると「＋17.6歳」と最も年齢が高く見られる結果が得られた。

　続いて、標準顔にほうれい線とマリオネットラインに加え、3つの口まわりのシワを追加した画像で比較した結果、ほうれい線とマリオネットラインのみ加えた画像に比べ、口まわりのシワを加えた画像では見た目年齢が5歳以上高く、特に上口唇の縦ジワを加えた画像の見た目年齢が最も高いことがわかった。

　以上より、口まわりのシワによって見た目年齢は上昇し、改善することで若々しさを維持できると考えられた。

　次に、口まわりのシワグレード標準を作成するため、30～70代の女性114名の口まわりの写真を撮影し、口まわりの各シワについて数や深さの程度が異なる複数の写真を選抜して、4名の美容皮膚科医・美容外科医が、シワの重症度の順に選抜した各写真を並び替えた。

　専門家間で並び替えの順序が一致しなかった場合は、一部写真を変更するなどして修正し、一致した時点で口まわりのシワグレード標準とした。さらに、口まわりのシワグレード標準を用いて複数のシワ写真のグレード評価を専門家により実施し、その評価値と、責任医師、trained expert（シワ評価に関わるサンスター研究員）が定めた想定値との一致度が良好であったことから、評価指標としての妥当性が十分高いことを確認した。

　今回、口まわりのシワ、特に上口唇の縦ジワは見た目年齢を上昇させるため、改善することで若々しさが維持できることを突き止めた。

　また、口まわりのシワ評価に適したグレード標準を確立できたため、今後はこのグレード標準を活用したシワ改善剤の有効性評価が期待できる。今回の知見を活かし、サンスターはエイジング悩みを解決できる製品開発を進めていく。