コーセー、iPS細胞用いた美容商品提供の実証実験を8月から開始

粧業日報 2024年8月6日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 肌状態の診察、美容商品の調剤・提供を「銀座よしえクリニック」で実施
コーセー、iPS細胞用いた美容商品提供の実証実験を8月から開始

 コーセーは、アイ・ピース、レジュと共同で、顧客自身のiPS細胞からの抽出成分「iPSF」を配合したパーソナライズ美容商品の提供に向けた実証実験を、医療法人社団優恵会の運営する「銀座よしえクリニック」を通じて2024年8月から年間30人の顧客を対象に開始する。

 この取り組みは、顧客にとって「“わたしだけ”の美容商品を提供すること」を目的としており、顧客は自身の血液から採取された体細胞をもとに作製されたiPS細胞抽出成分を配合したパーソナライズ美容商品を享受することができる。今回、コーセー、アイ・ピース、レジュはパーソナライズ美容商品や関連するサービスの提供について、医療法人社団優恵会と業務提携契約を締結した。

 同法人は皮膚科・美容皮膚科を中心とする「銀座よしえクリニック」を首都圏に7院構えており、再生医療を応用した美容医療分野に積極的に取り組んでいる。

 厚生労働省の認可を得た技術力の高い細胞培養加工施設をグループ内に有し、細胞治療やPRP(多血小板血漿療法)といった再生医療メニューの提供で国内トップレベルの実績を誇る。このように美容皮膚科における再生医療領域では日本を代表するクリニックの1つであることから、実証実験にてiPS細胞抽出成分「iPSF」の安全性の管理、有効性を評価するパートナーとして選定されるに至った。

 美容商品の提供のためには、顧客自身のiPS細胞を作製するため、「銀座よしえクリニック」にて顧客の血液を採取する必要がある。その血液中に含まれる体細胞から技術提携先であるアイ・ピースにて顧客自身のiPS細胞を作製する。このiPS細胞を用いて、アイ・ピースと技術提携をしているレジュにてiPS細胞抽出成分「iPSF」の製造を行う。この一連の血液採取から「iPSF」の製造におよそ1年の期間を要する。

 一方、コーセーからは使い心地などをパーソナライズするための製剤を開発し、クリニックへの提供を行う。その後、クリニックにて「iPSF」と製剤の調合が行われ、顧客にとって「“わたしだけ”の美容商品」が完成する。

 1回目の商品引き渡し以降は、2カ月に1回「銀座よしえクリニック」にて医師による肌状態の診察とカウンセリング、肌診断機による測定を実施し、美容商品の調剤を都度見直しながら、個人に真にパーソナライズされ、そのときの肌に最適化された美容商品が提供される。

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